【掛け合い声劇】黄昏時
兎角ゆず
【掛け合い声劇】黄昏時
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#声劇
兎角です。
幽霊だけど
ちょいとほっこりネタを…。
【配役】
●少女
○幽霊
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○あ、あのぉ。すみません。
すみませーん!!
●(ため息)…またか。
○この人も見向きもしてくれない…。
●当たり前よ。アンタ幽霊なんだから。
○え?
き、君!!僕のことが見えるの!?
●えぇ、見えるし聞こえるわよ。
あー…本当に嫌になるくらいに。
○いや、ちょっと待って。
今僕が幽霊だって言わなかった?
●正真正銘幽霊よ。
幽霊には足だってあるし、死んだ記憶だってあるはずだけど?
○うわぁ…めっちゃ皮肉を…。
●だってアンタ。足ないんだもん。
○え?ほ、ほんとだ!?
ぐろっ!?
●足が吹き飛んで死んだのね。
ちょっと来なさい。まずは死因を探さないと。
○ちょ、ちょっと待ってって!!
何してるの??
●スマホでニュースを見てるの。
アンタの死因は事故っぽいし、載ってるかも。
○なるほどー。
今更だけど、君、僕を見て怖がらないんだね。
●物心ついた頃から見てるからよ。
幽霊が怖いって言う人達は、見えてないだけ。
アンタだって私に取り憑こうとか思ってないでしょ?
○それもそうか…。
●悪いことをしようとするのは、生きてる人間だけよ。
…はい。見つかったわ。アンタの記事よ。
○人身事故?
●小学生を救おうとしたのね。
アンタだけが死んだみたい。
○思い出してきた…。
そうだ。ホームから落ちた子供を救おうとして…。
●じゃあ死因も分かったことだし。
あとは、何かして欲しいことはある?
○大丈夫。なんか自分が死んだ理由がわかって
ほっとしたみたい。
●そう。じゃあお疲れ様。
黄泉の國は知らないけど、良いところらしいわよ。
○そうか…。
●逝ったか。
じゃあ、私も帰るとするかな。
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- 当垢は電池切れ🦇ボタン電池お借りしましたよ