【朗読台本】ぼくの秘密【後編】
台本:壬音 声:
【朗読台本】ぼくの秘密【後編】
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前編に比べて感情移入が甘すぎるなあと思った×
練習あるのみ
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目が覚めると、ぼくの尻尾が消えていた。
お母さんにも、お父さんにも、学校の皆にも尻尾がなかった。
ぼく達の背中は皆、のっぺらぼうになってしまっていた。
腰を触っても少し出っ張った骨があるだけで、皆はそれを「尾てい骨」だと言った。
「人間に尻尾なんてあるわけがないでしょう」
怪訝そうな顔をする先生やクラスメイトを前にして、ぼくはもう何も言えなくなってしまった。
家に帰ると、家族写真からも尻尾が消えていた。
でもぼくは、ぼくだけは覚えているんだ。
お母さんご自慢の綺麗でしなやかな長い尻尾も、ぼくを見る度に「おそろいだな」と嬉しそうに振られるお父さんのカギ尻尾も。
昨日まで、人間には確かに尻尾が生えていたのに。
それを、ぼくは、あんなボタン一つで。
尻尾の記憶は不自然な早さでぼくからも剥がれ落ちていく。
ぼくももうすぐ忘れてしまうのだろう。
もう二度と、あの世界には戻れない。
ぼくが、世界を書き換えてしまったんだ。
ぼくには、誰にも言えない秘密がある。
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