法楼麗鳳梛 コミュ①
鍋島萌子
法楼麗鳳梛 コミュ①
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雨の中、少女がずぶ濡れで佇んでいる……
≪傘を差し出す≫
「…! 何を…」
ーーこのままでは風邪をひいてしまいますよ。
「……お心遣いには感謝いたします。ですが…どうか私になんて構わないでください。この雨で……醜い私ごと、どこかへ流されてしまえばいいのです」
ーー何か、あったんですか。
「…………」
ーーすみません。話しにくいことなら無理にとは。
「……姉を、亡くしました。今日のような、雨の日に。……車に轢かれそうになった私を庇って。姉様は…!!」
ーーそれは……辛いですね。
「両親も、周りの方も皆口を揃えて"姉様の分までしっかり生きろ"と…。私に、姉様の命の灯を奪ってまで生きる価値があるとでも!?」
ーーあります。
「は……?そんな、簡単に…」
ーーお姉さんに、歌を届けましょう。
「歌を…?何を言って…」
ーー首にかけているそれ…ロザリオですよね。キリスト教では、神様への賛美や教徒の方への宣教を、歌にすると伺ったことがあります。
「ええ…そう、ですね。……まさか、天国の姉へ歌を捧げるとでも仰るつもりですか…?」
≪名刺を差し出す≫
「778プロダクション…?プロデューサー?」
ーーアイドルになって、お姉さんや、悩みや悲しみを抱いている人達へ歌を届けませんか?
「あいどる……アイドル…!?私がそんな…」
ーーお姉さんも、自暴自棄になっている貴女より、輝いている貴女を見たいはずです。良ければぜひまた、ご連絡ください。
#なべこぴあの
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