【声劇】生贄と孤独と花と

生贄: 名前 化物: 名前

白い髪に赤い髪の少女。 生まれついた時に気づいた。 独りで生きなければならないと。 -------------------- ❤︎︎「生まれついたこの場所で芽吹く花がある」 ★「どんな花だい」 ❤︎「散ることしかできない悲しい花」 ★「それは… まるで生贄にされる君みたいな花だねぇ」 ❤︎「どうして、半妖っていうだけで、 居場所がないの？」 ★「人間も妖も 愚かな種族だと言うことさ。 日光も月光も誰かを特別 照らしているわけでもないのに 皆、自分たちが1番偉いと思ってる。 滑稽だねぇ」 ❤︎「…あなたは？」 ★「俺？俺かい？ 俺もまた愚かで滑稽な種族だよ」 ❤︎「私を殺すの？」 ★「あははは。 もともと俺は生贄を くれなんて言ってなのに、 人間が勝手にしたんだよ。 迷惑はすれど、君をどうこうすることはないさ。」 ❤︎「…あなたと一緒にいたい。あなたもきっと独りだから。」 ★「おかしなことを言う。人も妖も本来独りだろうさ」 ❤︎「それでも、誰かといたいの。人も妖も」 ★「そうかい。君の好きに生きればいいさ。俺はきっとその感覚は分からないだろうから」 ❤︎「大丈夫。あなたは優しい」 ★「君は本当に変わり者だ。愉快なほどに。…では、行こうか。森の奥深く。俺…俺たちだけの家へ」 ❤︎「うん」 やっと、独りじゃなくなった。 #声劇台本 #声劇 #2人声劇 #紅一葉 #レイシーの絵本