【朗読台本】チューブ

台本:壬音 声:森崎

素敵な台本&BGMお借りしました。 朗読とかもやるんです森崎は。 今回クソ真面目につき冷やかしは受け付けません( ˙-˙ ) 壬音さんありがとうございます。いつも素敵な作品を引っさげて浮上してきてくれるのが嬉しかったりします。 ****** 「チューブに繋がれて生かされているのは、生きていると言えるのかしら」 寝苦しい夜の散歩で出会った彼女がふいに呟いた。 名前も、どこに住んでいるのかも知らない。 彼女に会うのはいつも夜の川辺だった。 『周りがまだ生きていて欲しいと思うなら、生かされている意味はあるんだろうね』 「自分に生きる意思が無くても？」 『生きる意思なんて無いけれど、死ぬ理由もないから生きているって人間も沢山いる。それに比べたら、余程生きていると言えるんじゃないか』 ふと気づく。 先程から吹いている強い風の中でも、彼女の髪はなびいていない。 『君は…』 「あの病院に居るから、明日会いに来て。病室は…」 彼女はチューブに繋がれて横たわっていた。 管理された命。入院してから意識は戻っていないらしい。 『それでも君は生きたいと思ったからあの川辺に居たんだろう。君の想いは生きている。それを自分で否定するなよ』 モニターの波形と電子音だけが、僕の言葉を聞いていた。 ****** #台本 #朗読 #朗読台本 #一人声劇 #一人声劇台本 #声劇台本 #ひとり声劇 #サナトリウム #死 #生 #病院 #病気 #切ない #壬音のお話 #Miecoオリジナル