【声劇】花の想い人
京
【声劇】花の想い人
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▫青年
cv.
▪少女
cv.
▫時は戻りはしない。
家族が死んだ。
沢山の遺産を残して俺の家族は死んだ。
只、俺のところに来るのは遺産の話ばかり。
大人は金の事しか頭に無いらしい。
家族を惜しむふりなんてもう飽きたんだ。
そんな話なんてもう聞きたくない。やめてくれ
それで俺は知らない街に家を買った。
__そこに居たのは、
▪「初めまして。」
▫1人の少女だった。
▪「あの、お願いがあるの。...花壇の花に水をあげて。」
▫彼女が頼んだのは庭にぽつんとある花壇のたった一輪の花だった。
「こんなんでいいのか?」
▪「うん!ありがとう!」
▫俺は幸せだった。俺に向けてくれる笑顔は本物だったから。
花の世話をして、冬が来たところだった。
花は枯れた。
それと同時に、少女は消えた。
俺はどうしたらいいか分からず、ただ立ちすくんでしまった。
少女が居ないまま春が来た。
花壇には種が、置いてあった。
少女の気配がした。姿は見れない。でも、唐突に理解した。
▫▪「「彼女/私は人間じゃない」」
▪「そう、私は人間じゃない。幽霊なの。只、死ぬ前に植えた花が心配だった。」
▫「君は、...っ」
▪「その種を埋めて。また、花が咲くから。」
▫「...そうか。ありがとな。」
▪「さようなら」
▫俺は種を埋めた。そして、家をでた。
「待っててくれ!また、会おう」
▪___その日、どこかで、高台から青年が死んだ。
たった1人の幽霊に会うために。
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コラボして下さった方には必ず拍手しに行きます。
ちょっと、早口じゃないと入らないかも知れません...
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