【声劇台本】あの夏が飽和する。2話
貴方のお名前
【声劇台本】あの夏が飽和する。2話
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二話目も読んでみました!
結局、誰にも愛されなかった。
僕達を固く結んだのは、そんな嫌な共通点。
君の手を握ると、震えはもう無くなっていた。
金を盗んで、2人で逃げて。
僕らにはもう怖いものなどなかった。
額の汗も、無くしたメガネも、
「どうでもいいか。」
あぶれ者の小さな逃避行の旅だ。
「いつか夢見た、優しくて誰にも好かれる主人公なら…汚くなった私たちも救ってくれるのかな…?」
「そんな夢ならもう捨てた。現実にシアワセの四文字なんてなかったろ?」
今までの人生で散々思い知らされた。
自分は何も悪くねえと、誰もが思っているんだろう。
きっと。
あてもなく彷徨う蝉の群れ。
お金も、水も底を尽きた。
視界がだんだん揺れ始め、
迫り来る鬼たちの怒号も近づいてきていた。
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