【春_19日_朝】石切丸
Hypericum second
【春_19日_朝】石切丸
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#ひぺなな
【春_19日_朝】石切丸
目を開けると、そこは先程までいた戦場ではなく静かな鍛刀場だった。どうして自分が今まで戦場にいたのか、あまり覚えていないけれど目を閉じれば歌仙くんが少女を連れて走っている姿が思い出された。
「主…。」
その少女を自然と主と呼んだこと、自分には過去の本丸の記憶があることに驚いたが…同時に喪失感を感じた。
結局主はあの後逃げられたのか、一緒に戦ったみんなは生き残ったのか…自分だけ生まれ変わってしまったのか。
「…あ、新しい刀剣だね。名前は?」
渡り廊下から姿を現したのは加州清光だった。
「石切丸という。」
「俺は加州清光、…これから桜の会っていう…まぁ、花見をするんだけど行こっか。」
「あぁ…うん。わかったよ。」
とても花見をする気分ではないのだけど…仕方ないか。
加州くんに連れられて裏庭の方に行くと…ここの本丸にいる刀剣達と審神者と見られる女性がいた。
その他にも少女が1人……、…ん?
「主…。」
その少女の容姿を見るやいなや自然と自分の口から"主"という言葉が出た。
彼女は主と瓜二つの顔で…服装で、主と言わざるおえなかった。
「…生きていたのかい?」
「君は…歌仙くん。」
「……他のみんなはどうしたんだい?」
「私は今朝鍛刀されたんだよ。」
「あぁ、…そうだったんだね。本丸でのこと…聞いてもいいかい?」
「……あんまり覚えてないんだけどね、頑張って思い出してみるよ。」
BGM
夢と葉桜
青木月光より
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