1時限目
今夜、晩餐は学校で。
1時限目
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2年生に進級した不登校少女―――畑中恵林。
彼女の隣の席に座るすまし顔少年―――桐ヶ谷葵。
担任である伊藤の「挙手制」という言葉を完全に無視し
先陣を切って席を立った桐ヶ谷は、
必要最低限すぎる単語を用いた自己紹介をする…
空気を敢えて読まない桐ヶ谷の行動に、
畑中は先が思いやられるような気になりながら
彼の下の名前を呼んだ_______________
［セリフ］
4月。進級の季節。
校舎の立て直しがされて
比較的綺麗なこの教室で、
私は新たなスタートを迎えようとしていた。
「えーと。2年D組の担任になりました。
伊藤と申します。2年間君たちを受け持つつもりで
いるので、よろしく。
えー、挙手制にしましょう。
最初に自己紹介してくれる人は…」
「桐ヶ谷ですよろしくお願いします」
新たなスタートを…迎えたのだけど。
【今夜、晩餐は学校で。】
気まずい。
「あ、えっと、私の名前は」
「さっき言ってた。知ってる」
そういったお隣さんの目線は
相変わらず教科書の中。
「えっと、私の好きな食べ物は」
「興味無い」
「じゃ、じゃあ好きな動物」
「それも興味無いから」
「じゃああんたの好きな食べ物は」
「特になし」
「…」
全然話が進まないよ！！
何こいつ！！自己紹介するきないだろ！
教科書とご挨拶してどうすんのよ！
「あ、のー…」
「コサインθ二乗っていうのが
引っかかるか…だとすると」
は？？無視！？ていうかそれ絶対中二で
やらないやつだよね！？このすまし顔何者だよ！！
「あの！！」
「なに？自己紹介ならさっきお互い知った
…」
「そうじゃない！私、畑中恵林。
あんたの下の名前が知りたいの！」
まさか彼が
「…葵」
「え？」
「桐ヶ谷葵。これで満足？」
私のスクールライフに
大きく関わってくるなんて
「そう、よろしくね！葵！」
「…よろしく」
誰が予測できただろうか。
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#今夜晩餐は学校で
#声劇
#創作
コメント
2件
- 今夜、晩餐は学校で。
あめりすっご。え？すっご。
