【第2話:出会いは急展開】
Mafia aux Fleurs(花マフィア)
【第2話:出会いは急展開】
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【第2話:出会いは急展開】
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――白い部屋の中、苦いクッキーおやつに食べながら
ともだちとお外を眺めてた
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マフィアグループauroraのボスであるちょんは、無意識にそう口ずさんでいた。
何の曲か思い出せないが、ふと歌っていたのだ。
周りに微かだが能力発動の形跡が見える
気づいたちょんは歌うのをやめる。
この曲は一体何の曲だったのか。そもそも何処で聞いたのか、全くと言っていいほど覚えていないのだ。
それにこの場で能力を使うのは危険だと思ったのであろう。
歩いてその場から離れていった。
ちょんがいたのは花畑であった。しかし、ちょんがいたであろう場所の花は他の花たちより綺麗に美しく咲き誇っていた。
スノードロップの花言葉は希望。彼女の歌は皆に希望を持たせる。
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「おかえりなさい、そろそろ時間ですよボス。」
と、車の傍でロイヤルミルクティーこと、ロイヤルはちょんに向かってそう言う。
"えぇ、わかったわ"と言うとちょんは車に乗り込んだ。
それに続きロイヤルも車へと乗り込む。
2人が車に乗ると車は発進する。
車の中にはちょん以外に既に5人が座っていた。
先程のロイヤルに加え、片目に傷の入った女性…すにっっっっかーす、紫髪を1つに結んでいる女の子…夜蝶、茶髪の女性…さとう、そしてピンクのグラデーションがかかった髪の女性…翠ちゃそだ。
みんな多種多様な行動をとってはいるが、身につけているもの、持っているものが物騒であった。
流石はマフィアと言ったところであろう。
ふと夜蝶がちょんに向かって話しかける
「ちょんさんちょんさん!今日は遂に敵とのご対面だね!」
「えぇそうね…。」
敵·····というのは今向かっている会場に来ているであろうマフィアの事で、auroraも和華衆~ビオラソースを添えて~と同じく招待状を貰っていたのだ。
そして今この車に乗っている6人が今回のメンバーとして選ばれたのだ。
車は都心へと向かっていく。
都心へ入れば会場はもうすぐそこであった。
「さぁ、我々の勝利のために。敵を蹴散らして差し上げましょう?」
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auroraが会場へ到着すると二番のりであった
一番最初に来ていたであろうマフィアのものは皆、顔の1部分を隠していた。
ちょんが記憶を辿ってマフィアの名前を思い出そうとしていると後ろからさとうが答えを言う。
「あの人たち…たしかverstecken…といったマフィアだったはずです」
「verstecken…自分を隠す、か。なるほど。顔を隠しているのはそういう事だな。」
「えぇ、ご名答でございます。auroraのボス様」
ちょんとさとうが話しているとversteckenの黒髪の女性が此方に話しかけてきた。
どうやら彼女の風格からするにversteckenのボスは彼女なのであろう。
「申し遅れました、私versteckenのボスのネムと申します。あなた方も招待状を貰いここに来たので――っ!?」
そう話しかけようとした瞬間、夜蝶が前へ出て弓を構える。その瞳には明らかな殺意がこもっていた。
「ちょんさんにそう易々と話しかけないで。」
その言葉は誰を思って言った言葉なのか、それを知る由は夜蝶以外誰もない。
そんな時、車がもう一台会場へと入ってくる
中から現れたのは和の服装をしたマフィア―和華衆~ビオラソースを添えて~である。
車から降りたはち蜜雨が現状を見ると困ったような顔をする。
そしてその後ろからお嬢とりんも車から降りてくる。
そして考え無しにお嬢は夜蝶の元へと走っていく、そしてそれを追いかけるりん。
お嬢は夜蝶の元へと辿り着くと一言こういった。
「あぶなーよ?」
"あぶないよ?"と発音したかったのだろうがまだ舌足らずで上手く話せていなかった
しかしそれが相成ってお嬢の可愛さを引き立たせる。
あまりの可愛さに夜蝶は構えていた弓を降ろしお嬢と目線を合わせる為にしゃがみこむ。そして、お嬢を抱きしめた。
「待って何この子可愛い〜!!」
辺りがポカンとしていると、車がまたもう一台やって来た。
中からは可愛らしいお洋服を着た女の子達が出てきた。
見た目からの可愛らしさからは到底思えない残虐なことまでするマフィアグループ、amitieである。
amitieの人達は車から降りると「遅れてすみませんでした。」と丁寧に謝りを入れる。
そして様々な急展開の起きた現場は一人の人間の手によって収められた。
「皆様お集まりですね、verstecken様、amitie様、aurora様、和華衆~ビオラソースを添えて~様。この度はようこそお越しいただき誠にありがとうございます。」
ぺこりとその人間はお辞儀をする、見たところ執事のような格好をした背の低い女性である。
皆が困惑していてもお構い無しにその女性は話を続ける
「この度この招待状を出したのは私の主人でございます。主人様はあなた方マフィアにとても興味を持っていらっしゃる。だから優秀なあなた達で戦っていただき、一番強いマフィアを決めていただきたいのです。」
ちょんはこの女のいう主人とやらは悪趣味なのだな、と思っていた。
しかしそれと同じくこのマフィア四集を集めれるほどの何かを持っている人物では無いのかと、警戒をする。
なんせ、自身から出向くということをあまりしないちょんを動かした人物。とても注意すべき相手だと確信をする。
「どうぞ、皆様のお部屋をご用意してあります故、御案内させていただきますね。」
そういうと女はテキパキと動き、versteckenから部屋へと案内していく。
versteckenのボスはちょんに向かって少しだけ手を振っていた。
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「すにっっっっかーすさん、あのさ」
「ん、なんですか?」
「貴方の名前すにっっっっかーすって長すぎるからこれからすにって呼ばせてもらうわ」
「え?」
「いいね!ちょんさんがそう言うなら私もすにさんって呼ぼう!」
「え?」
「これからよろしくね、すにさん!」
「え……正式名称すにっっっっかーすなんですけどおおおおお」
【2話:終わり】
お借りした曲:VORACITY
#花マフィア
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