【予告風台本】映画『揺蕩う心と砂暦』

紗和( ) 蛍介( )/曲「放課後の音楽室」湯たんぽ様/台本 くろつばめ

もしかしたら、あれは。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ オレンジに染まる教室。 古びた青の砂時計が静かに時を刻む。 私は今日も、砂に重ねて時を零していく。 『綺麗だね、それ。君の？』 零れた時間を、君が拾い上げた。 『別に死ぬわけじゃないんだ。ただ皆と同じように生きるにはちょっと足りなくてさ。おかげで学校行事なんかも出られやしない。』 そういって君が、ふわりと笑うたび。 よく分からない感情が、 ひとつ、またひとつ積もっていく。 『卒業したら長期入院なんだよ。だからタイムリミットは半年。恋もできない。』 「･･･なんで。別に誰かを好きになるのは、自由なんじゃないの」 『好きになるのはね。でもほら、半年しか一緒に過ごせないから。同じ時を刻めないの、寂しいし。』 「･･･そっか、」 最後の1粒が、落ちたとき。 『名前などいらなかったよ、君と二人で過ごした日々は。これを青春と呼ぶには、ちょっとかっこつけかもしれないな』 ガラスの先に、答えがあった気がした。 映画「揺蕩う(たゆたう)心と砂暦(すなごよみ)」 2020年3月、公開。 桜の向こうに消えゆく君に、 手を伸ばすことは許されましたか。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ･･･青春、だったのかも。 紗和(さわ)→ 地の文、 「」 ただ過ぎゆく時を揺蕩う少女。 青春なんて、と思う。 どこまでも不器用で、臆病。 蛍介(けいすけ)→『』 有限の時を全力で生きる少年。 いろんな顔で、笑う。 どこまでも優しくて、臆病。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 「セリフバトン台本企画〜青春を綴る16ページ〜」 (主催:七星 https://nana-music.com/users/7320079/) 企画内容:参加者の方々から一言ずつセリフを考えてもらい、そのセリフを使って別の参加者が台本を執筆。 こちらの台本は本企画にご参加いただいたものです。 ↑こちらの企画に参加させていただきました！ タイミング参考用。 https://nana-music.com/sounds/0454558b/ 皆さんにとっての青春ってなんでしょう。 一致団結した体育祭？夜通し話した修学旅行？ それとも一喜一憂した恋の思い出？ 特別なものだけが青春ではないのかも。 その時は気が付かなくても。 いつか思い返した時に「青春だった」と思うことができるのなら。 それはまさしく青春ではないでしょうか。 ･･･青春だ、なんて言葉にするのが 少し気恥しい思い出もあったりして。 素敵な企画に参加させていただき、 ありがとうございました！ #BGM #ピアノ #湯たんぽのピアノ #セリフバトン台本企画