【声劇台本】『666(オーメン)ダイス』
台本:くらげ/BGM:hasamiさん/演者:
【声劇台本】『666(オーメン)ダイス』
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窮地の時にのみ現れるダイス。それを振ることで男は運を味方につける。
ただしーーその運が幸運であるとは限らない。
脇腹を探ればぬるりとしたものが。見て確かめるまでもないと雑居ビルの壁になすりつける。掃除が大変だろうって?心配いらない。ここはならず者の街。
無地ーーカラースプレーと血反吐でぬれていないところを探すだけ無駄だ。ラリった女でも店におく、諦めの悪い パブのオーナーでも匙を投げた。
だから、これから何が起きようと。具体的にいえば、この袋小路に何が転がることになろうと、みんな気にしない。……クールだろ?
奴の仲間によって逃げ道は塞がれた。遅れてきた小太りの男が件の奴だ。名前は、聞いていないからカモとする。
圧倒的戦力差、ましてや報復相手のイカサマ師は手負いと来ている。遅れてきたのは余裕の表れかといえば違うだろう。だって、息があがって「追いつめたぜ」の六字すら言えてないんだぜ?
追いつめられた?とんでもない、待っていたのさ!
「俺がイカサマ師なのは絶望的に運がないからだ!前回はピン抜き手榴弾が飛んできて、前々回は暴走トラックとキスをした。今回もきっと666(オーメン)だ。巻き添えを食らいたいか?そりゃ結構!賽は投げられた!!」
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- スギスケおかりしまして!