【短編小説】ハロウィンパーティー⑨
古畑 時雄(Tokio Furuhata)
【短編小説】ハロウィンパーティー⑨
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【短編小説】ハロウィンパーティー⑨
ハルカのクラスは、文化祭で行う『アルプスの少女ハイジ』の劇を放課後、夜遅くまで練習した
此の頃、学校近くの渋谷駅周辺ではハロウィンに向け、色々なイベントの企画が予定されて居たのだ
ハルカも本当は、文化祭よりハロウィンを友達と一緒に過ごす為に、ハロウィンパーティーを友達と企画する予定で有ったのだが、文化祭の劇の練習に追われていた
そしてとうとう文化祭、当日の日がやって来たのだ
ハルカはハイジ役の恰好をして、自分の出番を舞台の袖で待った
他のクラスメイトも緊張した面持ちで、自分達が演じる『アルプスの少女ハイジ』の劇の順番を待って居たのだ
順番が近くなるに連れ、ハルカの心の中に緊張と不安よぎった
そしてクラス代表の田中が、こんな事を言ったのだ
「俺たちの劇は、主役が一番重要だ!」
ハルカも勿論、其の事は理解していた
しかし心の中では、こう思ったのだ
「田中、お前はクラス代表なんだから」「少しは私の立場を酌むべきじゃない」
しかし追い討ちを掛ける様に、其の場に居合わせた担任の若林からは
「大丈夫だ!」「おじいさんは、お前を見守ってるから大丈夫だ!」
とても頼りにならない担任からの投げ掛けに、ハルカはもう誰も当てにならないと思った
そして自分ひとりで何とか乗り切ってやろうと言う思いが湧き、逆に吹っ切れたのであった
つづく…
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