戦場の乙女
iちゃん
戦場の乙女
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戦場はいつだって勝利者のモノだ。あのときもそうだった。
領主サマだとかが戦に敗れ、私の村は火を放たれた。逃げ惑う中、私は捕まり暗がりに連れ込まれた。
感じるのは恐怖と痛み。そして激しい怒り。戦に負けた領主への?欲望のまま私に跨がる名も知れぬ男への?いや弱い私自身への押さえきれない怒り。男が置いた小刀を奪い取りそのまま切りつけた。温かい血を拭い、男の鎧を奪った。今度は私が奪う番だ。
あれから、何度も戦に出た。何人も何人も殺した。だから油断したんだろう、戦勝で浮かれる初陣兵を庇って斬られてしまった。なんてバカなんだろう、なのに不思議と嫌ではなかった。まだ若い少年とも呼べる兵士が私に駆け寄り何か言っていたがもう何も聞こえなかった。
薄く笑い、そこで私の意識は途切れた
#声劇台本
#童話
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