夢現の間
米太郎
夢現の間
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黒い影が一人で歌っている。
何度も何度も同じ節を繰り返し。
楽しいとか、悲しいとか、そういった一切の感情はない。
歌ではない、音だ。
「!!」
と、静寂をつんざいて部屋に弾ける爆発音。
「あああぁああぁあああ!?!?」
急に扉に何かが叩きつけられる轟音がして、影は頭を庇いながら振り向いた。
もうもうと立ち込める砂煙の向こうで、亀裂の入った分厚い石の扉はパラパラと破片を撒き散らし、今にも倒壊寸前だった。
影、米太郎は目をまん丸に見開いて、その場にしりもち。
一人であいも変わらずの素っ頓狂な顔芸を披露する。
「あンの、...ばっか!!ど、どんだけ全力でノックしとんねん、民どもぉおお!!!!」
舌打ちしてそう呻くと、部屋の隅っこで丸まってこちらをジッと見ているおもち、件のたぬきに手招き。
こいこいと取り繕った笑顔で呼ぶが、たぬきは微動だにせずじーっと固まって身構えるばかりだ。
「なんだよー、おもちビビりやさんだなあ...ちょっと奥で待っててね」
言い終わるや否や、足早にどこか奥の通路のそのまた先へ...。
逃げるように走り去っていくたぬきを見届けて、影はぬるりと仄暗い闇に溶けて立ち上がる。
「......ちょうどいいや、試し切りしてやろ」
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-特別試合-
戦神の力によって空間が裂かれ、夢環境管理課への道が開けた。
空間が揺らいでいて不安定なため、外から様子を伺う事はできるが、この先に進めるのは大将の5人のみ。
歌うことができるのは1人一層のみ。
チャレンジ回数は無制限。
5/3〜5の間に、出題される課題3つを全てクリアした場合、連れ去られた日出づる国の民を解放する事ができる。
いざ、出陣↓
https://nana-music.com/sounds/03be35f3/
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