【朗読】Antinomie

朗読者:桃萌（楽曲:ますこ様）

みなさん聞いてください。 言端さんの台本ってすごいんですよ。 どこがすごいかって？ 楽曲の使い方、言葉選び、そしてなにより時間指定がされているところ。 読み手にとったら何テイクも重ねずに済むので最高です。 読み手に優しい台本なのです。 ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ (01.30) 清々しく目覚めた朝には、 たいてい腹がふくれている。 いつになく喉(のど)が潤(うるお)っている。 (01.17) 身体中(からだじゅう)に力が満ちあふれ、 爽快感で空も飛べそうだ。 そんな、久々の感覚。 身体(からだ)は悦(よろこ)んでいる。 どんなに心が、張り裂けそうでも。 この満足感は当分、 僕に涙を流すことを許してくれないだろう。 (00.54) 僕の中で、すっかりセピア色の、いつかの思い出。 彼女が包丁で指を切って、 傷口を舐(な)めていた。 「血の味、好き？」 僕は訊(き)いた。 「この味が好きな人なんているの？」 眉をしかめた、上目づかいのその表情を、 よく覚えている。 (00.29) 君は可愛かった。 君のことが好きだった。 その血の一滴一滴と、結びつきたいくらい。 その細胞のひとつひとつに、 丁寧に這入(はい)り込んでいきたいくらい、好きだった。 僕は腹をさすった。 どうかこれが夢であってくれないか。 (00.06) 君の味なんて、知りたくなかったよ。 ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ 最近納得いくように歌えなくなりました #朗読 #声劇 #言端 #言端の朗読台本 #拍手返します #コメント嬉しい