【一人声劇】つれづれの永遠桜
【音楽】深雪・【若者】ひとは・【台本】明治
【一人声劇】つれづれの永遠桜
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最近台本探してて思うことがあります。今までさらっと流して呼んだりしてたんですけど、割と感情込めて読むと、情景が浮かんで、感動しちゃう。
素敵な台本お借りしました!!
つれづれに、つれづれなる日々を、つれづれと書き留(と)める。
同胞(どうほう)の眠る郷(さと)で、一本の桜が命を燃やした。
……昔の話、此処(ここ)が戦場だった頃だ。
私の友人はおかしな奴だったが今の世を生きるべき男だった。世を思う心は誰よりも熱く、その目は常に先を見ていた。
酷い話だ。
私のような輩(やから)が生き残ってしまったのだ。
だがな、一つ覚えている。
夕日を背にした奴が笑った事を。
『つれづれなる日々を愛せよ。』
思えばそれが奴の最期の言葉だった。
背に刺さる刃(やいば)は無情(むじょう)。しかし奴の心は今もこうして……。
(小さく笑う)
旅の者にする話でもなかったな。
詫びと言ってはなんだが……どうだ?一杯。
茶でも飲んでいかんか。
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【人物設定】
若者(男:二十代後半)
彼がまだ十代の頃、戦に出ていたらしい。
その時亡くした友人はどうやら若者にとって思い出深い人物のようだ。
【あらすじ】
戦など星の数ほどあった。
村の若者はみな兵となって刀を取り、主君のために命を散らせた。
やがて戦が終わり、私が訪れたのはとある山奥の庵。
そこには彼らの亡骸が生み出した一本の桜と、とある物書きがいた。彼もまたかつての兵であり、腕の立つ志士だったそうな。
皮肉なものだ。彼の庵の庭にその桜は命の根を張っていたのだ。
「奴のような桜だ。
いつになれば散るのやら。」
そう呟く物書きを見て、私は思った。
良い友をもったではないか、と。
#声劇 #台本 #和風台本 #切ない #徒然_桜
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