声劇台本【銀世界】
読み手:まるさん
声劇台本【銀世界】
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素敵な台本をお借りしました!
その朝は、とても静かだった。
目覚ましの鳴らない、まだ早い時間に目が覚めた。
本当ならまだ薄暗い時間。
なぜか今日は、いつもより明るい気がした。
まだまだ寒い2月の初め。
時間はあるけれど、目が覚めてしまった。
億劫な気持ちを抑え、布団から出る。
今日もきっと、いつもと同じ、何もない1日なのだろう。
気分を入れ替えようと部屋の窓を開けた。
…そこには、見渡す限りに積もった雪。
辺り一面が銀世界となっていた。
寒さを忘れたかのようにその景色に見入る。
朝が早いせいか、まだ人の気配のないその景色は非日常的で、まるで、幻想かのようだった。
日が昇り始める。
その光を反射する雪。
風が吹くと、積もった雪が舞い上がってキラキラと輝いていた。
きっと、もうすぐこの世界は日常になじんでしまうのだろう。
だけれども、いまだけは、この美しい世界は私の物だ。
…なんて、優越に浸って笑った。
#声劇 #1人声劇 #声劇台本 #朗読
コメント
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- ひよこ@アレンジどうぞ素敵なコラボ、ありがとうございました!