【声劇台本】モンテーニュ
「コラボ者様」+台本「ひすい」
【声劇台本】モンテーニュ
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質問箱で、「『ハロー、マイネイムイズ』文はここで途切れているようだ」から書き出すお題を頂いたので、続きを書いてみました。
懐疑論者がその執着故に輪廻の輪を抜けて、転生してもなにかを探し続ける台本です。
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【ハロー、マイネイムイズ…】
文はここで途切れているようだ。
白い埃を被った机の上の書きかけの手紙を
僕は、くしゃりと握りつぶした。
もう原型は留めず粉のようになって舞うのが綺麗だと
僕じゃない僕がどこかで言う。
鬱蒼とした森の奥、崩れかけた小さなこの家は【いつかの僕】が住んでいた場所だ。
【前の名前】も【前の両親】も、なにも覚えていないのに、
何度【繰り返しても】この家になにかを探しにくる。
脚が折れた椅子、背表紙だけが残った本、割れたランプ、模様も見えなくなったソファー。
なにも覚えてないはずなのに、どこか懐かしくて。
僕は何度、ここを訪れたのか…。
虚無感が粉になった紙切れのように積もっていくのを感じる。
いつか見つけられるだろうか。
僕が求めているものを。
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お借りしたBGM「深い深い、森の深い」
以下は、私なりのお題の解釈です。
読まなくても大丈夫です。
My name isとわざわざ手紙で書き出すなら、きっと自己認識が強い人が書いていると真っ先に思いました。そしてHelloから始まるなら親しい他人相手への手紙ではないことがわかります。人間がアイデンティティを意識しながら生きるのは辛いと思うので、人の輪の中に居ない人だろうし、それならば世捨て人か懐疑論者が有力だなって。そこからは頭に浮かんだ情景を書きました。
#声劇 #ファンタジー #一人声劇台本
コメント
4件
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました
- かふぇ@ひすいさんお借りしました! 素敵な台本をありがとうございます!
- あると🐾お借りしました
- サカモトワト(元べるくん)こういう虚無が溢れる どこかぽっかり穴が空いたような話好きです。 お借りしますね