「うちに帰るたびに、増え続ける痣を消し去ってしまうためここに来たの」と
言った。
口をついて出ただけ。
ホントはどうでもよかった。
思ってもいないこと
でも、声をかけてしまった。
「ねぇ、やめてよ」
ああ、どうしよう
この子は止められない
わたしには止める資格が無い。
それでも、ここからは消えてよ。
君を見ていると苦しいんだ。
「じゃあ今日はやめておくよ」って
目を伏せたまま消えてった。
今日こそは、誰もいない。
わたしひとりだけ
誰にも邪魔されない
邪魔してはくれない。
カーディガンは脱いで
三つ編みをほどいて
背の低いわたしは
今から飛びます。
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