月の下で。【 声劇台本 】
青年( )
月の下で。【 声劇台本 】
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奇妙な見世物の話。
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とざい、とうざい!
怪しいほどに綺麗な月が輝く今宵( こよい )、御覧に入れまするはこちら。エゲレス国からの土産物、〝 おるごおる 〟に御座います。発祥( はっしょう )の地はまた違う所になりますが、物珍しかろと特別に譲り受けたもの。あゞお嬢さん、御手( おて )を触れてはいけません。何でも、ただの〝 おるごおる 〟とは勝手が違うらしいのでございます。私が知っていることは、螺( ねじ )を回すと音が鳴るということくらいで。
ところがどっこい、こいつには とある魔法がかけられているそうで。あーこらゞ、だから駄目だと云っているでしょう? .. 螺を回してみるだけ、って。それを最後に、貴方の記憶は何処( どこ )へやらですよ。
.. 何を云っているか分からない、とでも云いたげな表情ですね。全く最近の若造( わかぞう )は察しが悪くていけません。__ . この前の人も、その前の人もそうだった。
お嬢さん、私は貴方に2回も忠告致しました。二度あることは三度ある、なんて優しいことはしませんのでね。どうぞ、螺を回してみると良いのでは。他の皆々様( みなみなさま )、どうか御自分( ごじぶん )の身を守りたいのなら、耳をお塞ぎください。
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御静観( ごせいかん )、有難う御座いました。
本日の品、〝 記憶抹消おるごおる 〟は これにて処分致します。
.. はゞ、まさか、帰路( きろ )を忘れたなんて云いませんよね。責任は負いかねます、ではまたいつか。
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不定期に行われる、夜の市。その中でも絶大な人気を誇っているのが、とある見世物小屋。他の小屋とは違って、異形なものを見せるわけでも無く、猥なものを見せるわけでもない。「 お代は見てからで結構、さあゞ入って 」 なんて掛け声も勿論聞こえない。ただ不思議と人が集まるのである。妙に胡散臭い青年が紹介する本日の品とは。
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少女椿っていう漫画を思い出したんです急に。グロいですし精神破壊しにきてますけど嫌いではないです、寧ろ好き。是非調べてみてくださいね。そういえば日本にも1つだけ残っているらしいです、見世物小屋。怖くて調べてないんですけどね。未だに人間ポンプだの人間火炎放射器だのなんてやってたら溜まったもんじゃないです。
#声劇 #一人声劇 #声劇台本 #ぐでりの台本
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