【一人声劇】 最後の晩餐【台本】

読み手 【】

そっと椅子を引いて、まあるい机に着席した。 小さく、いただきます、と呟いてからナイフとフォークを持つ。 皿に乗ったこれまでの想い出にナイフを差し入れ、口に運び、咀嚼した。 いろんな味がした。 「だいすきだよ」 甘い 「こら！もう、まったく」 辛（から）い 「ごめんね…。本当にごめん」 しょっぱい、そして 「君を好きでいて、本当によかった」 幸せの、味。 口の中で味わって、全て胃に落とし込む。 あたたかい涙が頬を伝い、空っぽになった皿にぽつりとおちた。 ああ、しあわせ。しあわせ、だったなあ。 本当に、ありがとう。 そう、これは、最後の晩餐。 『ごちそうさまでした』 はじめて、台本を書かせていただきました。 ピアノ伴奏がとても素敵で、ノイズがまるで雨みたいで。 いろんな方に読んでいただけたら、と思っております。 使用する時には拍手かコメント頂けると、うれしいです。拝聴しに行かせていただきます(*˙︶˙*) #声劇台本 #声劇 #一人声劇 #朗読 #mitagraph