【怪談百物語企画】トイレ
なぎ松
【怪談百物語企画】トイレ
- 44
- 4
- 0
時間足りなくて早口ぎみです。
ある芸能人の話です。その芸能人は、とある番組の収録に来ていました。
控室で時間を潰していると、トイレに行きたくなってきました。
控室を出て受付に行き、トイレの場所をきくと、廊下の先だと教えてくれました。
教えてくれた方向に歩き出そうとしたのですが、よくよく見ればそのずっと手前のすぐ近くにトイレが見えるのです。
「あのトイレは使えないの?」
「使えないわけでは無いんですが…やめておいたほうがよろしいかと」
「使えるなら使うよ。」
「はあ…」
受付の歯切れの悪い返答に首を傾げながらも、そのトイレに行き、個室に入りました。
用を足しおえ個室から出るとふと、左側の個室が気になりました。
最初に入った時は誰も居なかったし、誰か入ってくる気配もなかったのに、誰かいるようなのです。
気味が悪く感じ、さっさとでようと手を洗い始めました。
ふと顔を上げて鏡を見ると、自分の後ろに見知らぬ女が背を向けて立っていたのです。
物音ひとつしなかったのに。
急いでトイレを出て、受付に興奮気味に話しました。
「なんか、気持ち悪い女がいるの!私の後ろに立たれたのを鏡越しに見た!」
「……あの
そのトイレ、鏡取り外されてますよ。
#夏のnana怪談百物語 #ホラー #声劇 #朗読 #台本 #企画 #イベント
コメント
まだコメントがありません