告白ライバル宣言
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告白ライバル宣言
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#アコギ伴奏 #告白ライバル宣言 #HoneyWorks #まッきー #恋してマーメイド #声劇 #お魚さん
🐟スペシャルアフターライブソロ曲編④🐟
【告白ライバル宣言】by鯖味噌良🐡
🐡「わたくしのステージ…皆様を圧倒しますわよー!ミーソッソ!」
素敵なご本家様
『告白ライバル宣言』
https://youtu.be/9zlh7h76tK8?si=ewRkbltk0QpQtpPP
お借りした伴奏の作成者様
まっきー様
https://nana-music.com/sounds/0281f868
【キャスト】
(敬称略)
🐡鯖味噌良(さばみ そら)cy.茶屋道るな
〔 https://nana-music.com/users/7521125 〕
『未完成ナイトとシンデレラ』
何故わたくしが鯖味噌にこだわるのか。
皆様一度は疑問に思ったかもしれません。
答えは簡単。わたくしの思い出の味だからですわ。
大好きだった田舎の祖母が営んでいた食堂の名物は鯖味噌。お腹を空かせてぐったりした人も、仕事でバタバタと忙しそうな人も、別れ話で泣いていた人もみんな一口食べたらホッと安らぐ魔法みたいなお料理。
みんなホワホワニコニコの笑顔で帰っていく。
わたくし自身も祖母の鯖味噌が大好きでした。
だから、決めたんです。
祖母のように食べた人達に幸せな魔法をかける商品を作りたい、って。
食べた人を応援できて、幸せにできて、元気にできるそんな不思議な魔法。
わたくしの魔法でもっともっとたくさんの人を幸せにできますように。
そのためにも、まずは学業に会社の研修!頑張りますわよー!!
…と思っていたのに…
「はあ!?政略結婚!?!?」
「…お前にぜひ、とのことだ。」
社長である父から呼び出されたと思ったら告げられたのは衝撃の事実。
わたくし、が?まさかの?
と、いうか今時政略結婚なんてあるんですの?
「相手はあの大手魚介類加工会社のご子息だそうだ。お前の目標のためにも悪いことではないだろう。」
「で、ですが!そんな、誰ともしらないお魚と結婚だなんて…」
「この後の会議でいらっしゃる。その後会食の予定もあるからお前も同席しなさい。」
「…CM撮影の方を見てきます。また後ほど。」
お父様が何かを言おうとしたが無視してさっさと社長室を後にする。
そのままCM撮影が行われているスタジオに向かう。
…政略結婚…結婚…でもそこに愛はない…
だけど、会社や夢のためには…
だけど…わたくしの意思は関係ないんですの…?
…どうしたらいいのかわからないですわ。
「…やっぱり、わたくしには恋愛なんて縁がないのかもしれないですわ。」
高校時代に感じていたあの甘い感情ももはや忘れてしまった。
…そうだ、高校といえば確か今日は…
目的地変更。今日撮影で来ていたはずの彼の顔でも見に行きましょう。
少し歩いて到着したのは楽屋。普通なら入れない場所だが今日のCM撮影はわたくしの開発した新商品のものだから今日はわたくしも関係者なの。
「失礼します。」
ドアを開けると中に懐かしい顔が。
「あら、ノミお疲れ様ですわ。」
そう、高校時代の友人ノミ。彼はモデルとしてデビューし、今回我が社のCMを担当してくれるのだ。
「…やあ噌良、まさか君のとこのCMをやることになるとは思わなかったよ…」
まさかまさかのわたくし会社。しかもわたくし監修した新商品という記念すべきCM。
大事なものですから、信頼できる人間に頼むのは当たり前ですわ!
「わたくしの鯖味噌愛がようやく商品になりましたわ…!このまま、軌道にのせるために頑張っていかないと…!」
そう、夢が叶いつつあるんです。
わたくしだけの魔法が完成しつつあるんです…だから…今頑張らないと、いけないの。
「噌良、無理しすぎて倒れたら元も子もないからね?」
…顔にでてしまっていたかしら。もっとわたくしは強くあらないといけないのだから。
だけど…なんだか友達の前では少し気が抜けますわ。
「あら、ご心配ありがとうございますわ。この後大事な他社との会議があるからそれが終わればひと段落ですわ…ただ……どうやら、わたくしに政略結婚の話がきたそうですの。」
「はっ!?結婚!?」
あっ、口を滑らせてしまいましたわ…
うーん、もうこの際話した方が楽になるというものかしら。
「…我が社の技術が目的らしく、わたくし自身や商品に関して興味があるわけではなさそうなの。だから…いやなのだけど…」
会社の看板のためにも断れない、と。
…説明していたらより行きたくなってきましたわ。逃げ出してしまいたい。
「ねえ、ノミ…お願いがありますの。」
そんな思いからなのか、わたくしはいつの間にか弱音を漏らそうとしていましたの。
「わたくしを…」
攫って。
なんて、言えない。
わたくしが背負っているのは自分のことだけではない。夢も、会社も、たくさんの人達の思いも。
今、この先の言葉を言ってしまったら。
もう戻れない気がしてしまった。
…だめだ、助けてなんて言えないですわ。
「…やっぱりなんでもないですわ!ミーソッソ!じゃあ、いってまいりますわー!」
無理矢理高笑いをしながら急いで部屋から飛び出す。これ以上一緒にいたら縋ってしまいそうだったから。
「…強く、あらなくちゃ…」
覚悟を決めてわたくしは父の待つ会場へと向かった。
________________________
「恋に落ちたのはあなたのせいです・・・」
そんなに見つめて
0%が分かった上で宣戦布告
「女の子みたいだね」って自覚はないけど
女の子に負けちゃうような乙女座男の娘
「コミュニケーション苦手だって・・・」自覚はあるけど
透明人間にもなれちゃうA型男の娘
そんな僕を見つけて名前呼んでくれた
できそこないの呼ばれない正解(コタエ)
恋が満ちたのはまばたきくらい一瞬の事で
こんな出来事はまるで誰かの夢物語だね
未完成ナイトもうちょっと待って
君と君の好きな人に贈る精一杯「せーのっ!」
僕の宣戦布告
________________________
「いやーこんなに可愛い子と結婚できるなんて、ぼくは幸せ者だなあ」
「…はあ。」
…最悪っ!!!ですわ!!!
わたくしと結婚する予定の殿方、初対面からいきなりわたくしにやけに馴れ馴れしく触れようとしてきます!セクハラですわぎょ!!
それに、取引の話をしようとしてもそんなこといいからデートしようよ?とか…あなた仕事を何だと思ってますの!?
父の顔を立てないといけないと思い我慢してきましたがもう…会食も来たはいいですけど食欲なんてありませんわ…
「しかし、噌良さんは若いのに鯖味噌だなんて古風なものにこだわるんですね?」
「…わたくしの思い出の味なので。」
「思い出の味、ねえ。今時の会社なんて儲けをいかにだすかでしょう。大丈夫ですよ、ぼくと結婚すれば低コストの魚で大量の儲けが出せます!」
…この人…食品開発を何だと思っているのかしら…本当に腹立たしいですわ。
「…わたくしは、儲けよりもお客様の笑顔や幸せを優先したいですわ。」
「えー?そんなの綺麗事でしょう?ぼくと結婚した方が一緒に効率よく開発できて儲けもたくさん!我々上の者にはお客のことなんて二の次でいいんだよ!」
その瞬間、堪忍袋の尾が切れた。
そう認識するより前に手元にあった水を目の前のゲス野郎にかけていた。
「な、何するんだよクソガキ!」
「わたくしは、あなたには屈しない!!!」
許さない。わたくし達の思いを侮辱しただけでなく、お客様のことはどうでもいいだなんて。
こんな、こんな奴に利用されてたまるもんですか!!
「愛も、プライドも何もない。そんな人にわたくしはわたくし自身を捧げたくなんてない!わたくしは、自分自身の足で歩いていきますわ!!!」
わたくしは、自分の足で立てる。その先に歩んでいける。『お姫様』じゃない。わたくしは自分自身のために戦う騎士だ。
「…ガキが、調子に乗りすぎるなよ!?」
向かい側に座っていた男が手をあげる。
殴られる、と思った瞬間
「触るな」
「いでっ!?」
優しい温かさがわたくしをつつんだ。
「王子様…?」
窓から差し込む月明かりに照らされてキラキラと輝く王子様。
でもそれはよく知っている人だった。
「ノミ…!?なぜ…?その格好は…?」
王子の服を着たノミがそこにいた。
わたくしを殴ろうとしたゲスはノミによりテーブルに沈められその場は混乱に陥る。
「噌良、迎えに来た。一緒に逃げよう。」
「え…」
言葉の意味が理解できずわたくしがなんで、ときくよりも身体がフワリと浮き上がる方が早かった。
そのままノミはわたくしを連れその場から走り去る。
入り口付近ではなぜかルカルカのお二人が待っていてくれる。
「ノミくん、早く行きな!」
「後は任せてください、お幸せに。」
「ありがとう、ございます!!」
…本当に、助けにきてくれたんですの…?
でも、なんで、わたくしなんかのために…?
わからなかった。だけど確かに嬉しかった。
我慢していた感情がぐちゃぐちゃで、自然と涙が溢れ出していた。
そのままわたくし達は離れた場所まで逃げ、少ししてからわたくしは地面におろされた。
「ふう…これで大丈夫だろ。」
「なんで…ですの…?なんで来たんですの…?」
好き、って関係でもないのに。ただの友達なのに。なんでそこまでしてくれるんですの…?
そこまで聞きたかったけど、涙が溢れてきてうまく言葉が紡げなかった。
「助けて、って言おうとしてたじゃん。」
「え…?」
…あの時の…?
それだけで、こんな危険な思いをして、わたくしを攫ってくれたんですの…?
…この人は…
「僕さ、いいこと思いついたんだよね。君のこと助けられてみんな幸せになれる方法。」
「な、なんですの?そんなもの、あるわけ…ミソっ!?」
ノミがひざまづきわたくしの手に口付けをする。
その月明かりに照らされたその姿があまりに綺麗で、だけど恥ずかしくて、何をどうしたらいいのかわからなくなってしまった。
「僕が君と付き合ってるから、助けに来たってことにすればいいんだよ。僕ならあいつらよりよっぽど影響力あるしね?」
!?!?付き合う?付き合う!?恋人ってこと!?わたくしの頭は大パニック
「なっ、えっ、ノミ、と付き合って…!?」
「…フリ、ってことだよ?」
「…なっ…なんなんですのお…!」
な、なるほど!?付き合ってるフリですわね!?なるほどうんうん!それならば良い男避けになりますわね!?うん、他意はないですわね!!
「ま、大丈夫だよ。ちゃんと守ってあげるから安心してよ、『お姫様』?」
「なっ、生意気言わないでくださいまし!わ、わたくしは、一人で立てます!『王子様』になんて頼らなくても…まあ、うん、たまには頼らせてもらう…かも?」
わたくしをお姫様というなんて…甘いですわ!
わたくしは一人で立てる、戦える騎士なんですから。
…まあでも…一人じゃないっていうのも悪くないから…気が向いたら王子様を頼ってみるのもいいのかしら…なんて…
その後謎の力により政略結婚はなくなり、無事わたくしの夢が詰まった商品は発売された。
たくさんの人がおいしい!と食べてくれている。
そしてその宣伝をしてくれているのは…彼だ。
「王子様とお姫様…じゃなくて、一心同体、なら認めてあげますわよ?ミーソッソ!」
…その先の甘さは、まだ、秘密なのですわ
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