
カミカクシ
aya.c.🍄.kai.yomo.kuribayashi
オーディション企画のあった未来古代楽団の曲を聴いてたら、不意によぎってきたkaiさんのあの曲をアカペラ仕立てにしてみました🙊 ちょっと音間違えてるのが悔やまれるけど🥺 kaiさんのオリジナル、とっても素敵なのでまだ聴かれてない方は是非🎼✨ https://nana-music.com/sounds/05d4dec4 ♪♪♪♪♪♪♪ 何となく思い浮かぶ自分だけの物語とかあったりしません🙊? この曲聴いてたら、なんとなくそことリンク出来たことがあって🙈 せっかくなのでこちらにあげてみます📝 ******* 久々に、地元の祭へ顔を出した日の黄昏時。 目の前を通り過ぎた白い狐を追いかけて、 向かう先には、寂れた神社。 社の前の鳥居をくぐったところで、 視界は途切れた。 *** 気がつくと、目の前には少年がひとり。 白い袴に身を包み、こちらに笑みを向ける。 周りを見渡せば、先程の寂れた神社の境内。 気を失っていたのだろうか。 私は少年に促され、 共に地元の祭の会場へと戻る。 *** 祭の雰囲気を楽しむ私達のそばを、 浴衣姿の女性が通り過ぎる。 少年が声をかけ、女性が振り返る。 弾む話。どうやら少年の知り合いらしい。 整った女性の顔立ち。 どことなく、懐かしさを覚える。 *** その瞬間、脈打つ片頭痛。 思わずしゃがみ込む私に、少年が駆け寄る。 女性も不安そうな表情で、 こちらの様子を伺っている。口元が動く。 だが奇妙なことに、女性の声は聞こえない。 思えば、出会った時から、 女性の声だけが、私には聞こえていなかった。 視界はそこで、再び途切れた。 *** 目が覚めると、私は先程訪れていた、 神社に戻ってきていた。 少年によれば、 自分は朦朧としながらも歩き始めたため、 女性がここまで付き添ってくれていたらしい。 だが、もう既に女性の姿はそこに無い。 私の表情を見てか、 少年は私に微笑むと駆け寄り、 私と背中合わせになった。 「大丈夫。もうすぐ戻ってくるよ、母さんは」 不意に訪れる長い瞬き。 少年は、忽然と姿を消していた。 *** 7年前。 関東を中心に、 全国で同時多発的に起こった出来事があった。 通称、カミカクシ。 一夜にして、地域一帯が丸ごと消失し、 更地のような状態になるという、 現代科学では、到底説明出来ない現象。 当時、私の住んでいた地域も、 カミカクシに遭っていたそのひとつ。 私も、例外なく巻き込まれていた。 だが、その2ヶ月後。 私は病院のベッドの上で、目を覚ます。 その当時、カミカクシから生還した、 最初の人であったらしい。 *** 高校卒業後に上京し、 大学を経て、人並みに会社へ就職。 高校時から知り合いだった妻とは、 大学時に付き合い始め、就職後まもなく結婚。 結婚を機に住まいを郊外へと移し、 しばらくして、子どもを授かったとの朗報。 カミカクシに遭ったのは、 その2ヶ月後のことだった。 *** なぜ、忘れてしまっていたのだろう。 こんなにも大事なことを。 目覚めた私は、涙していることに気づく。 そういえば暫くの間、涙を流せていなかった。 その事実を受け止め切るだけの準備は、 自分には出来ていなかったのだろうか。 今はただ、 蘇る妻との思い出と、 過ごせるはずだった少年との日々に、 思いを馳せるしかなかった。
