
つむぎリテイク①
ちょっと低めに囁いてみたver (リテイクしてるのは「俺はいつだってあなたの味方です」だけです) 🌱次のかた、どうぞ。 (聞き慣れた、耳に心地いい朗らかな声。 ドアを開けば、声の印象そのままの柔らかな表情で、こちらに微笑みかける主治医の姿があった) 🌱ふふ、お久しぶりです。 前回からは……だいぶ期間が開きましたね、その後、お加減はいかがでしたか? (前回受診した怪我の件を覚えてくれているのだろう。 もう数ヶ月も前の話になるのに、何人もいる患者の症状をこうも覚えているのかと思うと、尊敬の念を抱かずにはいられない。 こくりと頷き無事を知らせると、彼はなんとも安心したように頬を綻ばせた) 🌱それならよかった。 今回は簡単な検診だけですから、リラックスしていてくださいね。 🌱まずは喉を診ますので、口を開けて。 そう、もう少しだけ大きく開けられますか? ……はい、じょうずです。 心音のほうも聞かせてくださいね。 🌱……ふふ、大丈夫ですよ、緊張しないで。 ゆっくり息を吸って、吐いて。 ……もう一回、吸って……吐いて。 いいですね、少し速いですが、きれいな音です。 🌱それから、問診としてひとつ。 なにか、お身体のことで気になることはありますか? (流れるように進む診察の中、そのまま首を横に振ろうとしたところで、ふと遮るものがあった。 ここ何週間か続いている、ほんの少しの違和感。 彼ならばなんでも耳を傾けてくれる、むしろ、言わないほうが今後の関係に影響が出るかもしれない。 そんな思いで、気づけばほろりと口を開いていた) 🌱……「たまに、胃がきりきり痛むことがある」……? (やはり、この先生はとても親身に話を聞いてくれる。 よくある症状だ、なんて流さずに。こうして共感までしてくれるのだ。 ……こんな些細な報告を、まるで深刻な病気の発覚みたいに。 一瞬、彼の瞳がひどく心配そうに揺らいだのは、一体なぜだったのだろうか。) 🌱あぁ、それはとってもお辛いですね。よくわかります。 🌱『先生も』って……はは、俺も、この街にお医者さんが少ないので、働き詰めで。たまに胃を痛めることくらいあります。 🌱お医者さんとして俺ができるのは、まず胃薬を処方することですかね。1日3回、頑張って飲んでみてください。 🌱それと……これはおまけです。おまじない、みたいになってはしまうのですが。 (そう言いながら、ゆっくりと立ち上がった彼の手が、そっと頭の上に置かれる。 いつもはされるはずのない"処置"に、うまく頭が回らない。 いつの間にか、目の前の彼の表情すら、まともに伺えなくなっていた。 それでも、彼の声色は、今までで1番あたたかく、やわらかで、溶けてしまうほど優しかった) 🌱……よしよし、よく頑張りましたね。 あなたはとっても、頑張り屋さんな、いい子です。大変でしたね。もう大丈夫ですよ。 🌱……あんまり俺が言えたことではないんですが。 どうか身も心も酷使しないで、休めるときに休む。そして、たまにこうやって俺に相談をしにきてください。 🌱俺はいつだってあなたの味方です……そう言ってくれるひとがいると考えれば、少しだけ、生きやすくなると思いますから。 🌱またいつでも、ここでお待ちしていますね。 それでは、どうぞお大事に。
