死せる者達の物語
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死せる者達の物語
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▶▶掌から零れ落ちるものばかり
リュヌが扉をあけると先ほどまで一緒だったお友達の姿が消え、いつの間にかまた1人になっていた。その事にリュヌはしゅんと肩を落として先へ進む。
新しく足を踏み入れた部屋には3人の人影があった。
「どなた?」
「私はリュヌだよぉ」
「まぁ、リュヌちゃん?」
真っ先に声をかけたのはノーナだった。ノーナは驚いたような声を上げたが、すぐに嬉しそうに破顔する。
「もしかして目、見えてないの?」
「えぇ、丁度モルタに渡していたから。でも知らない場所で目が見えないとモルタが不安になってしまうからそれで良かったのよ」
ノーナは盲目の三姉妹で義眼を共有している。一般的には不便なことも多いのだろうが、ノーナとしては姉妹の仲は良いし、運命の糸が見えていればあまり困ることもないので今のところ不満は無い。
「じゃあ私が手を引いてあげるねぇ」
「ふふ、ありがとう。それから無口なお二人もそろそろ挨拶をしたらどうかしら?」
2人のやり取りを黙って見ていたニコラとジーンはお互いに顔を見合わせると、まずニコラが前に進みでると恭しく頭を下げた。
「今回もお招き頂きありがとう。今宵の宴が楽しいものになるように精一杯演奏させてもらう」
「わぁ、ありがとう!音楽を聴いたらきっとみんな楽しい気持ちになれるねぇ」
「うん、ボクも楽しい気持ちになれる」
「じゃあみんな楽しい気持ちだねぇ」
ニコニコと笑うリュヌの顔にさっと影が落ちた。それに気がついたリュヌが顔を影に向けると、決して背が低いとは言えない他の2人よりもはるかに背の高い魔女が無感情な目でじいっとリュヌを見つめていた。
リュヌは思わず怯えたように身を縮こませたが、ジーンはそのままリュヌの頭に手を置くとわしゃわしゃとそのすみれ色の頭を右に左にぐちゃぐちゃにした。
「ふぁ、ふぁ、ふぁ~」
頭をシェイクされ奇声をあげるリュヌを見て、思わずノーナが止めようとするが、微かに微笑んでいるジーンを見て口を噤む。もしかしてこれは頭を撫でているつもりなのだろうか?
「小さい」
「他に何か言うことがあるんじゃありません?」
「…………?かわいい」
「……貴女、学者なのよね?頭は悪くないはずなんですけれど……天然というやつなのかしら」
「リュヌはかわいいよ」
「はぁ、話がややこしくなるのでニコラさんは黙ってて下さい」
ノーナにぴしゃりと言われて、ニコラは少し寂しそうに肩を落とす。それに気付いたのかリュヌが背伸びをしてニコラの頭を撫でてあげている。そしてその光景を見たジーンがまた微かに微笑みリュヌの頭をぐちゃぐちゃにした。ノーナはまたため息をつく。
「……いくら私でもこんな天然を3人も相手にするのは荷が重すぎるわね」
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「死せる者達の物語」
🎻ニコラ・テンポルバート(cv.日向ひなの)
🧬ジーン・ヴェサリウス(cv.スピカ)
👁🗨ノーナ・パルカエ(cv.唯純)
⏳リュヌ・ブランシュ(cv.はいねこ)
⌛手を伸ばし掴んだ筈の宝石は
掌から零れ落ちるものばかり
🎻奪い合い 憎み合い 血を流し続けるのか
戦に (↓🎻↑⌛)明け暮れる世界よ
🧬我等は今 何と戦うべきで 何を守るべきか
👁🗨嗚呼...星空(そら)よ
人間(ひと)は何を畏れるべきで 何を愛すべきなのか?
All:滅びへ向かう光よ 全ての死すべき者達よ
嗚於...同胞(とも)よ
人間(ひと)は何を育むべきで 何を遺すべきなのか?
いずれ歴史は語るだろう【死せる者達の物語】を……
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☪︎素敵な伴奏ありがとうございました☪︎
ぱうち⛩様
https://nana-music.com/sounds/05812a89
☪︎ 𝕋𝕒𝕘 ☪︎
#魔女ニコラ #魔女ジーン #魔女ノーナ #魔女リュヌ
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