⚔️子柚叶とあなたのRPG⚔️

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ はっと意識が覚醒したようでした。 ブランコも、落ちた女性も何もなくて、ただ暗い、静寂だけがありました。 なんでしょう、もう帰らなきゃ、と思ったんです。 いつの間にか座っていた、最前列の席を立って、ステージに背を向けて、真っ直ぐに入口へ向かいました。 ｢少し、盛り上がりすぎてしまいましたね。 休憩を兼ねて、心が安らぐような演目と致しましょう｣ プロジェクターでしょうか。パッ、と、一面に煌めく星々が散りばめられて、プラネタリウムのようでした。 ムーディーな音楽が流れ、ほう、と息をつく声もありました。 ｢我らが団長による、摩訶不思議なマジックの数々。どうぞ、ご堪能あれ｣ 心が凪いでいくような、落ち着いた声での語り。 世界がゆっくりと回りだして、チカチカと光ったり、心地いい風の音がしたり。振り返ったら釘付けになるような魅惑がそこにあると、予感がありました。 それでも私は、振り向けませんでした。 熱風が背中を押してきて、オレンジの光に照らされても。力強く伸びやかな声と歓声が誘ってきても。 出てしまいました。 ｢またいつでも、お待ちしております。 手を伸ばしてくだされば、いつでも｣ クラウンの声と、手を振って見送ってくれた気がして、顔を上げても、横にも、後ろにも、何もありませんでした。上を見ると満月があって。 胸のなにか落としたような喪失感があって、その後は泣きながら家に帰って、寝ました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 原曲 https://youtu.be/TzlecLbdo-s?si=P7UvvwmnhTUpJPxP 伴奏 https://nana-music.com/sounds/05df9805 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 🏷𓈒𓏸︎︎︎︎ #子柚叶とあなたのRPG #第3回あるぴじバトルコロシアム #フジファブリック #ドクターストーン #DrStone