⚔️子柚叶とあなたのRPG⚔️

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カシャッと照明が薄暗く落ちて、炎の熱も引き肌寒く感じたところに、ぼんやりと女性の落ち着いた語りが響いてきて、ゾッとしました。不安で心細くて、きょろきょろとステージ上を見回しました。 パッと照明が照らしたのはステージの端、とても高い位置で、細く突き出た足場の上に、人が立っていました。 その人が何気なく、1歩踏み出して落ちていき、大きく弧を描いて、反対側の同じような足場に着地するまで、私は驚いて目が離せませんでした。 ｢お次の演目は空中ブランコ。 本能的な恐怖を超越し、快楽と自由を求めた彼女の姿をどうぞ、ご覧あれ｣ アナウンスの終わりを待たずに、またすぐ躊躇いなく落ちてからは、 大きく弧を描いて、 空中で手を離してくるくると回り、 反対側の足場から投げられ飛んできたブランコに掴まって、 弧を描いて、 飛んで、 回って、 空を切って、 飛んで、 少し高いところから落ちて、 足をかけて逆さまになって、 ひらりひらりと宙を舞う姿が美しくて、ステージ上を泳ぎ回るような、翼があって、どこまでも飛んでいけそうな、自由さをとても眩しく感じました。 いつの間にか私は、怖さなんて全くなくて、周りにいた無数の観客達と同じように、『私も空を自由に飛びたい』『連れて行って欲しい』と、無意識に手を伸ばしていました。皆、手を伸ばしていたんです。 一度足場に戻った演者さんは、私たちを見て、両腕を大きく広げてから、抱きしめてくれました。 その時不思議と、会場が一体となったように感じて、どうしようもなく安心して、幸せで、楽しかったことを覚えています。 足場から離れて、ステージ上をダイナミックに飛び回りながら、どんどん高く、速くなっていって、 ある瞬間、音が消えました。世界が止まったようでした。 私たちの注目を一身に浴びて、真上に高く、高く飛んでいったその人は、全身で喜びを表すように腕を広げて、落ちていきました。 はっきりと落ちたんです。笑顔で、幸せそうに。 それを見て、私たちは。歓声を上げていました。 それは異常に飲まれていたと、今になって恐ろしく、でもそれ以上に、やっぱり眩しくて、憧れてしまいました。 落ちていくその人の最後の笑い声が、まだ、いつまでも、耳に残っています。 本家様▶https://youtu.be/oEexpf-arg4?si=Ei3ZfxoOsEjFUigJ #子柚叶とあなたのRPG #第3回あるぴじバトルコロシアム