nana

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「アスト!わたしの従魔になるです!」 両手を振り翳して、必死で何かを唱えているリンデ。 「リンデ、何やってんの?」 面白いね、といった風に、イリスが聞く。 「むむっ…やっぱりまだ私の力では、アストを従えられないです!」 大袈裟に崩れ落ちる。 「アストは無理だよー。一匹狼だもん。それに、心に決めたヒトがいるみたいだしね」 聞き捨てならん…と、リンデは顔を上げる。 「それって…『エーレ』ですか?」 「そうだよー。しっかし一体エーレはどこにいるのやらやら。」 背の高い草を掻き分けながら、キョロキョロするイリス。 少なくとも、そんな所には居ないと思う…と、リンデは心の中でツッコんだ。 「アストなら、『災厄の魔女』をどうにかできるかもしれないです?」 思っていた事を口に出した。 「どうなの?アスト?」  アストと顔を見合わせるイリス。 「うーーん?わからん?」 一緒に首を傾げた。 「それでも男ですか!しっかりするです!」 リンデがアストのフサフサの毛に掴みかかる。 大人しく揺さぶられるアスト。 「リンデ、あんまりいじめないでよー」 「しかしこの森、暗くて、今にも魔物が出そうです」 ひとしきりアストに八つ当たりした後、 我に返ってリンデは少し身震いした。 「ボクも凶暴な魔物の言葉はまだ難しいんだよね…あっ!…」 何かに気づいたように驚くイリス。 「ひぃ!?なんです!?」 その場で跳び上がるリンデ。 その反応を見てニヤッとして 「なーんてね、冗談…」 と言った瞬間、咆哮と共に大きなヘビが現れた! 「じゃなかったーーーー!」 さすがのイリスも跳び上がる。 「だ、だだだ『大地に眠る精霊よ、我にそのーーーーーー』」 慌てながらとりあえずリンデは魔法を構築しようとした…が、 「ぎゃあああああ!流されるーーー!」 水飛沫と共にイリスの悲鳴が響き渡る。 驚きの余り川に突っ込んだようだ! 「なんで川に落ちてるですーーー!?…あ!?アスト!?イリス助けるです!?まって!ひとりにしないでーーーー!」 流されるイリスを追って川に飛び込んだアストに続いて、リンデもわけもわからず川に飛び込んだ。 「じぬううううううう!」 「ひゃふへへーーーー!」 小さな魔女達の運命やいかに…。 …………………………… シクレですが、折角なのでBGMお借りしました🙇‍♀️ お借りしたBGM『森の中っぽい曲2』 りけ様 https://nana-music.com/users/1496160 …………………………… #エレクトーン #BGM #小説

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UTAO
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