nana

15
4
コメント数4
0

《登場人物》 ●イリス(ボクっ娘)  ○リンデ(ですっ娘) …………………………… 『災厄の魔女』と呼ばれる存在がいる。 ボクの住む村では、その名を口に出すことも憚られる。 なんでも、莫大な魔力を持って生まれ、魔法の才能もあった、特別な存在だったとか。 敬われ畏れられた魔女は、禁忌を犯して蔑まれ、今や世界を混沌に陥れ、人々に恐怖をもたらした。 そんな同胞を生み出してしまった過去がある。 今や類稀な魔法の才覚がある者は、忌み嫌われるようにさえなった、魔法で栄えた民族の、成れの果て。 …………………………… 「イリスーー!また"涙"が降ってきたです!はやくはやくっ!!」 「まってリンデ!アストが帰って来ない!」 「あの狼ですか!?大人達に見つかったら、殺されちゃうかもです!」 狼は嫌われている。 家畜を襲うし、何よりも、魔女をたぶらかす、悪魔の使いだと。 「アストなんて、名前までつけて…確かにあの子は賢い子ですが…そういやイリス、昔から、動物と会話できるのでしたね。はい、この魔法の傘で"涙"叩き落とすです!」 「ありがと!うん!魔法はからっきし!だけどね!えいっ!」 イリスは、リンデから受け取った傘を広げて振り回す。 すると、"涙"は霧散した。 "涙"と呼ばれるのは、ヒョウのように空から降ってくる氷の礫で、大地を凍らせる。特にこの地方は多いことから、住んでいる者も少なく、食料も乏しい。 『災厄の魔女』の影響だと云われている。 「まぁわたしたちも、迫害されてこんな辺鄙なとこに住んでるです。嫌われ者同士仲良くしたっていいと思うですけど、!しかしこの"涙"なんとかならないですか!このままじゃまた畑が収穫する前に凍っちゃうです!」 ぼやきながら、リンデも傘を振り回す。 「ボクのごはんがぁ〜!!あっ!アスト!ごはん!獲ってきてくれたの!?やったぁ〜!」 林の影から、突如姿を現したのは、銀色の毛並みをした大きな狼だ。 ウサギや鳥なんかを咥えている。 「今回も、それはわたしが魔法で捕まえたことにしとくです」 以前大型の動物を狩ってきた時には、さすがにリンデが注意した。村の大人達に怪しまれるからだ。 仕方なく、アストに自分で処理してもらった。 命を粗末にしてはいけない。 「アストはいい子だねぇ〜。なでなで」 イリスに大人しく撫でられている、アスト。 その光景を見て、なんだかほっこりしていたリンデに、思い出したように、イリスが問う。 「ところで、リンデ。エーレって人知ってる?」 一瞬固まるリンデ。 「…は?それ『災厄の魔女』の名前です!!」 特に驚く事もなく、さもないといった風に、イリスは続けた。 「あ、そうなんだ?アストがさー、探してるって。前までわかんなかったんだよねー。最近より深く理解できるようになった…ボク、成長した?えへへ」 人差し指で鼻の下を掻いて、黒いおヒゲができた。 「いや…そんなことより…」 驚愕でわななくと共に、もうどこからツッコめばよいのかわからない、リンデ。 「じゃ、いこっか!リンデ!魔女狩り!」 「それ、わたしたちも狩られるやつです!」 とりあえずそこはツッコんだ。 「ひと狩り行こうぜ!」 「それ、だめなやつです!」 そこもツッコんだ! こうして、小さな魔女達と、一匹の狼の旅が始まった。 …………………………… シクレですが、折角なのでBGMお借りしました🙇‍♀️ お借りしたBGM『流れ星降る夜のキミとの冒険』 ri-様 https://nana-music.com/users/6997658 これ綺麗だなぁ✨✨好きだわ✨✨ …………………………… #オリジナルBGM #オリジナル曲 #オリジナル #作曲 #ピアノ #星空 #小説

partnerパートナー広告
UTAO
4コメント
ロード中