真夏の夜の夢【旅芸人一座の物語〜第11話】
松任谷由実
リレー小説【旅芸人一座の物語】第11話です。 第10話の続きです♪ 第10話「うっせえわ」 https://nana-music.com/sounds/0622b582 未読の方は先にこちらをどうぞ😊 今回は「真夏の夜の夢」に載せてお送りします。 前半はボーカルなしです。 橙さんのフルートを、物語中でミカ姐さんが吹く フルートに見立てています♪ 演奏は ギター Gakuさん フルート 橙さん です。素敵な演奏ありがとうございました! さらに コーラス はこべさん&エリス ボーカル エリス にてお送りします。お楽しみいただけたら幸いです❣️ ※文章の無断転載はなさらないで下さいね。 ※作中の登場人物は全て架空の存在です。 nana上のフレンドさんからお名前はお借りしている部分 もありますが、性格その他全くの創作です。 ご了承ください。 ★ーーー✴︎ーーー★ーーー✴︎ーーー★ 【旅芸人一座の物語】 企画:elith 書き手:elith・清水はこべ(箱) ★まとめ読みプレイリスト ① https://nana-music.com/playlists/3601402 ② https://nana-music.com/playlists/3730970 ★時系列順まとめページ https://nana-music.com/sounds/061cd18e ★ーーー✴︎ーーー★ーーー✴︎ーーー★ 旅芸人一座の物語 第11話「真夏の夜の夢」 書き手:エリス羽衣 ボーカル:エリス羽衣 コーラス:清水はこべ(箱)エリス羽衣 ★これまでのあらすじ 王宮に招かれた旅芸人一座。 その実態は、王宮の秘密を探る諜報集団。 王宮の文官室に勤める文官室室長代理補佐は、 宴で踊っていた美女を褥に呼びたく 座長に申し入れるも断られる。 全ての部屋の鍵を持っている補佐は、一座の女性奏者の 部屋に勝手に入り込むことを思いつく。 補佐が選んだ部屋は、フルート奏者ミカの部屋だった。 ✴︎ーーー★ーーー✴︎ さあ、では反撃と行きますかあ! 「文官室室長代理補佐さま、 それはお気の毒でございました。 私はご期待には沿えませんが、 私のやり方でお慰めしますわ」 キョトンとしている補佐にニッコリ笑ってみせてから あたしはずっと手に持っていたフルートを唇に当てた。 ♪〜〜🎶♬〜〜 笛の音が部屋いっぱいに広がっていく。 あたしはフルートが好きだ。もっともっと、 この優しく美しい音色を響かせたいと思う。 ある目的を持って吹き始めたのに、 演奏を始めてしまうとつい音の世界に集中してしまう。 あたしの意識が完全に補佐から音楽に向いた、 ほんの一瞬。 ほとんど同時に3つのことが起こった。 補佐が、やらしい表情であたしに向かって手を伸ばし。 現実に引き戻されたあたしが、 捕まらないように咄嗟に後ろへ飛びずさり。 部屋の扉が勢いよく開いて、 大きな黒い影が飛び込んできた。 「ぐげえっ!ぐ、グホッ」 「ったく!言っただろ、 ウチは女性の座員を大切にしてんだって!」 左腕を補佐の首にガッチリ回し、右手で補佐の右腕を 捻りあげる座長の姿は、なかなかかっこよかった。 「座長、おっそ~~い! もうちょっとで、あたしどうなるとこだったと思うの」 そう言うと、座長は鼻の上に皺を寄せて イヤそうにあたしを睨んだ。 「俺なんか呼ばなくても、 お前ならコイツボコるくらい余裕だろ?」 「ええ~~っまさかあ~~。 でもジェイが来てくれるって、信じてたからあ」 あたしと座長は断じてそういう仲ではないし、 普段「ジェイ」なんて呼ぶことはない。 名前を呼びながら、身体を寄せるあたしの態度から、 座長はあたしの思惑を察してくれたみたい。 こういうとこ、聡いよね。 「決まり事を無視した挙句に、 俺のオンナの部屋に忍び込むたあ、 いい度胸だねアンタ? えーと、文官室室長代理補佐見習いその2だっけ?」 「文官室室長代理補佐だっ! グハッ、ゲホッゲホッ!いい痛い痛い!」 首に回した腕を緩める代わりに、 補佐を膝まづかせて顔を床に押し付ける。 もちろん右腕は捻じったままだ。 「さて、どうしてくれる?このまま無罪放免と いうわけにはいかないことはアンタも分かってるよな? 俺たちは王様に呼ばれた客人だ、たとえ旅芸人でもな。 その客人の部屋に忍び込んで乱暴しようって、 こりゃとんだ騒ぎだぜ?」 最初から引っかけようとしたわけじゃないけど、 結果的にこれって美人局よね。でもまあいっか。 「かかか金か?そそそれなら、払う! いいいい幾ら欲しい?いい一度文官室に戻れば」 床に顔を擦りつけられながら言い募る補佐の様子に ピンとくるものがあって、あたしはカマをかけてみた。 「ジェイ、コイツあたしらの宴会用の予算横領してる。 あと、宴会用の酒もちょろまかしてるよね」 「ちち違う!横領は、私がやったことではない。 あれは室長の命令で」 「ほお~お?では、酒のちょろまかしは認めるわけだ。 ‥‥室長の命令の話、よーく聞かせてもらおうかな。 なあに、アンタは命令されてやっただけなんだから、 悪くないさ、なっ?」 ★ーーー✴︎ーーー★ーーー✴︎ーーー★ あと1回だけ続きますー🙇♀️🙇♀️ #旅芸人一座の物語 #Gaku #Gakuギター #nana夏祭り #松任谷由実 #真夏の夜の夢 #橙 #フルート伴奏 #コラボ歓迎 #エリスさんに感謝の箱 #橙さんに感謝の箱 #Gakuさんに感謝の箱 #エリス松任谷由実
