新人下っ端物語 ープロローグー
晴れときどき、虹色模様。
新人下っ端物語 ープロローグー
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※カラフル戦隊☆レインボージャーの二次創作です
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下っ端Bと名乗るほわんとした雰囲気の青年に連れられ、大広間に通される。
豪華な椅子に座る威厳のある黒髪の女性を中心に、見るからに特別な雰囲気の漂う眼鏡をかけた男性、真面目そうな男性、美しい女性、幼い男の子が沢山の人達を前に立っていた。
向かい合うように立っている人々は、私同様下っ端と呼ばれる人達なのだろう。
その者達を割って進み、私を含めた6人が横並びに立たされ、ここまで私を案内してくれた下っ端Bはにこにこと笑いながら灰色の髪の青年の隣に立つ。
2人もまた、端に寄ってはいるが私たちと向かい合う。
真面目そうな男性が下っ端Bが戻ったのを見て1歩前に進み、口を開く。
「下っ端の皆さん、こんにちは。ジェンです。」
広い空間に響き渡る男性にしては高く柔らかい声。
落ち着いた声色だが、下っ端達はその瞬間に緊張の様なものが身体を痺れに似た形でびりびりと駆け巡り、自然と姿勢が正され固まってしまう。
そんな事は関係なしにと、ジェンと名乗る男性は言葉を続け注目する下っ端達をゆっくりと見渡す。
「新たに6人もの新人が入って下さったことにより働活動範囲も増え、我々カオス・ジェネシスがこの世界の主導を握る日も近いのではないでしょうか。」
端に並ぶ私を案内してくれた下っ端Bと灰髪の青年をちらりと見る。
「本来ならば、あなた方の先輩とあたる下っ端Aと下っ端B…
ここでは新人との差別化を図るため名前で呼ばせていただきます。
司と誠に、全員の教育指導を任せるところなのですが…
あいにく今の時期は忙しく、全ての方に手が回らない状況です。」
若干申し訳なさそうな表情で目を瞑り、小さく、短くため息を吐く。
目を開いた瞬間には気を切り替えたようで、真剣な表情に改めてその身を正されてしまう。
「なので、我々四天王と呼ばれるグレイス・ウィッチ・クラフティ、そして私ジェンが新人の教育に参加する事となりました。」
前列に並ぶ私達を一人一人見ていく。
「下っ端Uは司、下っ端Vは誠、下っ端Wはグレイス、下っ端Xはウィッチ、下っ端Yはクラフティ…」
そして私と目線が重なる。
「下っ端Zである貴女は私が指導致します。」
実際は一瞬の事だったが、とても長い時間だった気もする。
その瞬間だけ時間が止まったような感覚がした。
部屋に響くジェンさんの声にハッとし、現実に引き戻される。
「何も難しい事はありません、覚えていただくものはどれも単純で簡単なことです。我々の信念はただ1つ」
“ボスの為に”
空間内に一際ピリッとした電流が流れる。
優しい声色のはずなのに心臓に突き刺さるような強い言葉。
ふ、とこれまでに見せなかった穏やかな表情で笑う。
特に何をされた訳では無いが、呪縛から解かれたような開放感すら感じる。
「これから良き悪事ライフを楽しんでください。
カオス・ジェネシス、悪に誓いを。」
今日から私は、カオス・ジェネシスの下っ端としてジェンさんの指導の元ここで働くことになる。
様々な期待と不安で胸の奥がぐるぐるとした。
【次回の更新はとき虹第1回予定です】
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