nana

第一章 第二話 その一 『神は気まぐれにサイコロを振る』
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第一章【神よ目覚めたまえ】 第二話その一【果物の決意】 ミステリアスな雰囲気を持つ、 耀紀リンコ🍎 『機械-タロット-』に強い憎しみを持つ、 辻斬キララ🍋 二人は相容れぬ存在かのように思われたが… ーーー ーー ー 🍋「あ、耀紀さん…!」 🍎「あなたはたしか…辻斬さん。」 🍋「覚えててくれたんだ…!」 廊下で偶然出会った二人。 ぎこちないながらも会話を交わす。 🍎「記憶力は…いい方なの。それで?何か用事があったの?」 🍋「用事って程ではないんだけど…」 🍎「言ってみて。聞いてあげるから。」 キララは一瞬躊躇うが、グッと決意を固めると、リンコに思いを打ち明けた。 🍋「う、うん。耀紀さんってさ、すごく大人っぽいよね。どうしたら私も、余裕のある考え方ができるかな… 」 沈んだ顔で俯くキララを、リンコはジッと見つめている。 🍎「それは、『機械-タロット-』への憎しみの話?」 🍋「うん。私、どうしても『機械-タロット-』を前にするとカッとなっちゃうところがあって…。」 そこまで聞いて、リンコはやっとキララが言わんとしていることを理解した。 『機械-タロット-』を前にして、理性を失うことが怖いのだろう。 🍎「…たしかに、余裕を無くすと周りが見えなくなりがちよね。」 🍋「そ、そうなの!!そこなの!!皆の足、引っ張っちゃうんじゃないかって…不安で…」 キララはガックリと項垂れ、さらに不安そうな目をする。 しかしリンコは、その心配は杞憂のような気がしていた。 なぜなら、まだ付き合いの短いリンコでさえ、キララが仲間思いのいい子だということは理解できるからだ。 それに、自分でこうやって不安要素を自覚できる冷静さも持っている。 もしかしたら、実際に『機械-タロット-』の前に出たら、豹変するのかもしれないが、大きく皆の足を引っ張ることもないのではないかと、リンコは思った。 しかし、リンコはそのままの言葉を伝えない。 なぜなら、この事実をそのまま伝えたところで、キララの気持ちが晴れるとも思えないから。 🍎「なら、こう考えてみて。"私たちはチームだ。迷惑をかけたっていい。"って。」 🍋「え…でも、そんな…」 リンコは笑顔でそう言った。きっと、こっちのセリフの方が、キララの気持ちは晴れる。そう思って。 だからと言って嘘を言ってるわけでもない。リンコには確信を持って言えることがあった。 🍎「大丈夫。少し一緒に居ただけでも分かる程、皆優しいわ。」 そう、皆はとても優しかった。 まだ顔を合わせて間もないにも関わらず、お互いがお互いを尊重し合っている場面をいくつも目にした。 だからこそ、リンコは自信を持ってそう言えたのだ。 🍋「……そう、だけど、」 自信なさげに俯くキララ。 そんな様子を見てリンコは元気づけるようにキララの肩を軽く叩く。 🍎「信じて。私を…いいえ、皆を。そして、自分を。」 🍋「…!!!うん!!!」 リンコの言葉に、やっとキララは笑った。 そのことに安堵したリンコはこの時ある決意を固めた。 🍎「私たちなら、出来るわ。」 🍋「ありがとう耀紀さん…!ううん、リンコちゃん!!」 リンコは目を閉じて小さく笑う。 🍎「頑張りましょうね。」 そう言ってリンコはキララに背を向けた。 ーーー ーー ー 🍎「絶対に負けられない。この身を犠牲にしてでも、『機械-タロット-』を討つ。」 ーーー ーー ー 🍎耀紀リンコ cv.びたたま 🍋辻斬キララ cv.飛鳥 BGM そうすけ 様 台本 ヴィオラ

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