
episode.1-0
箱庭ノ遊戯
紙に書かれたことを言うと扉が開く。 目の前に現れた廊下は一方通行。 その一方通行の廊下を進めば赤い矢印。 その矢印の先にまた扉。 「ここにいろってことか?」 「多分そうなんじゃないかなぁ…?」 赤いメッシュの目立つ男性の呟きを拾い黒いリボンを揺らし答える。 疑心に満ちているが他にやっていいことが分からない。 とりあえずその部屋に入ってみることに。 そこは明るい灰色の小綺麗な部屋だった。 壁際にある本棚はたくさんの本。 机や椅子、冷蔵庫まであった。 一応生活ができそう。 シャラン… また響く鈴の音色。 〖キャンッ〗 狐の声に惹かれるように全員が狐を見る。 カチッ 『やぁやぁお久しぶりだね~。君達にはゲームをしてもらうって言ったけどルール説明してなかったね。 ルールは簡単。歌で敵を倒すか状況打破、クイズに正解する、もしくはその両方だ。 ゲームをするときはそのゲームの箱庭に招待するよ。条件をクリアするまでその箱庭からは出れない。何度でも再挑戦可能。どう?簡単でしょう?』 ローブの男がコテリと小首を傾げニコリと笑う。 「どうと言われても…」 赤いパーカーの青年の困惑した表情。当たり前だろう。いきなり連れてこられているのだから。 『あ、そうそう。ここの本棚にはクイズに出てくるヒントみたいな情報がたくさんあるから読んでおくといいよ。』 ローブの男が指を指した先には本棚。 よく見れば伝説や伝承、神話、童話等の本、ゲームの攻略法本etc…。 小説やラノベ、漫画等の楽しめる本はない。 歌は大好きだ。 ただその歌が戦いに使われるとなるとなんとも言えない気持ちになる。 帰るために仕方ない、と割り切れるのはほんのひと握りの人間だろう。 『質問は……なしでいいかなぁ?』 ふぁ…と少し飽きたように欠伸混じりの声が響く。 するとスッと手が上がる。 『んー?なぁに?』 「…好きなタイプは?」 『……………えっとねぇ…すぐ怒らない人。……というかなんでこのタイミングでその質問…』 「私は至ってマジメよ?」 『……そっかぁ…それじゃあ仕方ないね!』 緊張感のない会話に他の人の緊張が少し解ける。 『あっそうだ。君達には訓練してもらおうと思うよ。』 「訓練?練習ってこと?」 そこら中にあるピアスを揺らし少しだけ首を傾げる。 『んー、まぁそうかな。…敵と戦うって言っても君ら弱いでしょ?弱いままじゃあフェアじゃない。やっぱり戦うなら同レベルの接戦じゃないとね。レベル差あると一方的なゲームになっちゃうからねぇ…。だから君達のために訓練室を用意したんだ!優しいでしょ?』 コテリと首を傾げ笑う彼を見て少しだけイラッとする。 「優しいって自分で言うことじゃねぇだろ…」 全身黒の青年がため息混じりに溢す。 「あの…歌に強いも弱いもなくないですか…?」 藍色のリボンを揺らす彼女の言葉に確かに。と全員の心が一致する。 『いいや?君達の歌は武器になる。いまの君達は研いでない剣…いや、錆びた包丁のようなもの。だから訓練で武器を研ぎ、磨き、育てる。わかった?』 「ねぇ、敵を育ててあなたは何がしたいの?」 コテリと人形ごと首を傾げて聞く。 『同レベルの接戦が楽しいんだって言ったでしょ?』 何を言っているんだろうとでも言うような声色で言うローブの男。 『いまの状態を説明するとねぇ…僕達のレベルが100だとすると君らはまだレベル1。…んまぁつまりフェアとかそんなの以前に君達が僕らを倒すことは不可能なんだよ〜』 「せやから訓練っちゅーとこか」 『そゆこと!訓練室は4つ。その部屋を出て右にあるよ。更に奥に行くと宿舎だからそこで寝泊まり。冷蔵庫の中には好きにどーぞ。12人いるから3人1組で訓練。歌を歌ってお互いに指摘し合う。どうよ』 なるほどなぁ…と納得した顔の彼に更に説明を増やし、ローブで顔の半分が隠れていてもドヤァァァ…と効果音がつきそうなほどのドヤ顔をしていることが分かる。 「意外と本格的だねぇ〜」 『そりゃぁフェアにやりたいからね?』 感心したようにうんうんと頷くロリータに口元だけでも分かるドヤ顔で答えるローブの男に少しでもイラつきを覚えたのは少数ではないだろう。 『とゆわけで~…勝手にグループ組んどいたから琥珀からグループ分けの紙貰って訓練室に入っちゃってー!』 ばいばーい☆という声と共にブツリとホログラムが消え、はぁ…と狐のため息が聞こえる。 〖…ごめんね。マスターの説明分かりにくかったかな?〗 「…つまり、チームに分かれて歌う…ってことですよね?」 少し首を傾げると同時に左耳のイヤーカフが見えにくくなる。 〖そういうこと!!じゃあこの紙見てグループに分かれてね!!〗 尻尾から取り出した紙がスッと消え自分達の手元に現れる。 〖んじゃ、よろs「ちょっと待って!!!」 消えようとした琥珀に被るように声がかかる。 〖なぁに?質問?〗 「……尻尾触ってもいい?」 〖何故!?〗 「気になるから!!!」 〖やだ!ばいばいッ〗 逃げるように消える琥珀に誰も何も言わない。 何がなんだか分からないけど帰るためにはやるしかない。 しょぼんとした表情の人が若干一名。 でもおかげで緊張は薄れた。 不安の中に少しのやる気が芽生えた気がした。 ─ ✄ ─── キ リ ト リ ─── ✄ ─ 《ストーリー》 4グループに分かれて合唱します。 期限は7/4まで。 曲は自由。 各グループごとコミュニティを作るのでそこへの参加をお願いします。 グループ分け↓ (敬称略 nana垢名) ①乃稚 れん ぽん太 https://nana-music.com/communities/1106080 ②綿飴 狼男 愛羅銀 https://nana-music.com/communities/1106081 ③りど。 XEI asakac https://nana-music.com/communities/1106082 ④夜明け アルフォート mikya https://nana-music.com/communities/1106083 ─ ✄ ─── キ リ ト リ ─── ✄ ─ クイズに関して。 調べても構いませんが、あくまでこの“中央の部屋”の本棚の本から得た知識ということにしてください。 クイズを解くときに関してはなりきりチャットをしてもらいます。 数人で話し合い、正解を導き出してください。 歌は審査が入ります。 きちんとやりましょう。 求められれば独断と偏見を込めて感想を言います。 訓練とストーリーは同時進行になる場合があります。
