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詩人の鐘  弾き語り
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1990年の曲です。 バブル景気が絶頂を迎えていた頃、浮かれる日本に警鐘を鳴らすように世に送り出されました。 詩人の鐘の「鐘」とは何か。 この曲を収録しているアルバムのタイトルは「誰がために鐘は鳴る」 その「鐘」と同一であると思われます。 ではその鐘とは何なのか。 「誰がために鐘は鳴る」はヘミングウェイの小説のタイトルですが、ヘミングウェイはそのタイトルをイギリスの詩人ジョン・ダンの詩から引用してつけました。 ジョン・ダンの詩は下記のとおりです。 〜死にのぞんでの祈り〜 ジョン・ダン(浜田省吾訳) 誰も孤島ではなく 誰も自分ひとりで全てではない ひとはみな大陸のひとかけら 本土のひとひら その一握りの土を波が来て洗えば 洗われただけの欧州の土は失われ さながら岬が失われ 君の友人や君自身の土地が失われる 人の死もこれと同じで 自らが欠けてゆく 何故なら私もまた人類の一部だから  ゆえに問うなかれ 誰がために鐘は鳴るやと それは君のために鳴るなれば   ✩࿐⋆*✩࿐⋆* あの弔鐘は誰のために鳴っているのかと問うなかれ。 あなた自身のために鳴っているのだ。 という意味です。 詩人が鳴らしている鐘はあなたに向けられている。 ということなのでしょう。 この危機的な世界は誰のせいかというと、ひとりひとりのせいではないか。 失われゆくものは何なのかというと、自分自身の存在そのものではないのか、受け止めねば。 というメッセージだと捉えられます。 詩人の鐘(cover full) https://youtu.be/wes6wcyK3nQ 1990年当時は「やがて1999年」という歌詞でしたが、1999年は既に過去なので、今は「やがて」を削除して歌われています。 前回歌った詩人の鐘 https://nana-music.com/sounds/0470007b 歌詞✩࿐⋆* 銀行と土地ブローカーに生涯を捧げるような 悪夢のようなこの国の 飽食とエゴに満ちた豊さの裏側で 痩せ細る南の大地 未来へのシミュレーション 破滅を示す時 鐘が鳴ってる 約束の地に 打ち上げられた罪を知る者に 鐘が鳴ってる 聖者のように 魂の声を聞く者に 闇を裂いて閃いてる――1999 タブーだらけの自由の中で葬られてゆく 孤立した叫び声 自浄出来ぬシステムに真実はねじ曲げられ 幻想だけ煽られてく プラスティック・インフォメーション メディアを満たす時 鐘が鳴ってる 非武装の地を 争うことなく追われる者に 鐘が鳴ってる 天使のように愛しい人を導く者に 見守るように遠く深く――1999 蒼ざめたイルミネーション 孤独を照らす時 鐘が鳴ってる 欲望の地で誇りと理想に生きる者に 鐘が鳴ってる 詩人のように 傷ついた心いたわる者に 輝いてる清く強く――1999 #アキ浜田省吾弾き語り #アキ詩人の鐘

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