nana

「恋予報ケネディ編(序章)」
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「あーっと、いや、その、それが......」 飛空挺に戻って久々の夕食を囲んだ後、今日は夜更かし解禁だと嬉しいお達しをいただいた珈琲屋諸氏は、図書館の床、この為だけに花子が買ってきた巨大な綿雲の如しカーペットの上で、思い思いのマグカップを手に寛いでいた。 パジャマパーティで話すことといえば、コスメと噂話と、恋の話だって、相場が決まっているものだ。 そして開始早々、全員の目と口が、パカッと留め具が壊れたがま口くらい大きく開いて時間が硬直する。大きな声が上がる前に、大慌てで片っ端からマシュマロを詰め込んで塞ぎにかかるケネディは、大層な慌てようで、耳まで真っ赤に茹で上がっていた。普段胸元を武器に、男をノックアウトするケネディが、だ。そのリアクションだけで、十分にただ事でも嘘でもない事はよく伝わってきた。 花子は辺りを見渡し、男衆がいない事を確認するなり、抑えきれない興奮に任せて早口で揺さぶりをかける。精神的に止まらず、肩をゆさゆさやられているのに、ケネディはああ、とか、うう、とか短くこぼしてなすがまま。 「ちょっとちょっとちょっと、それどういうこと!?どこの男!?え、兵隊さん?」 「ううん、兵隊さんは、兵隊さんなんだけど、ヨソの国からというか......」 「とりあえず進捗どこまでいってんの!?」 「え、ええぇ?それは、その〜......」 「大丈夫、耐性ない子も結構居るから、やったかやってないかでいいわ」 「あぁーハナコサン......あのね」 “...ケネディ、まだ返事してないの” その一言、そして頬っぺたをおさえて、しょぼしょぼと伏す恥じらい睫毛に、その場の全乙女が悲鳴を上げたのだった。 今晩の主役はケネディ、軍事国家ノアルヴァレー滞在中、彼女の身に起きた唐突すぎるロマンスの全貌が今夜明かされる。 ーーーーーーーー 恋予報;ケネディ編解禁です☕️

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