
朽木刀人 過去
- 刀人はただ、平穏に暮らしたいだけだった。 それでも現実は、残酷なもので… 刀人の父は酒に溺れ、遊ぶために金を多大に消費する、いわゆるクズを具現化したような男だった。 家族のことを一切省みず、それどころか、手を上げることも少なくなかった。 とはいえ、刀人の母も母で、これだけ酷い仕打ちをされては仕方ないかもしれないが、愛人を作り、家に帰ることはほとんど無くなった。もちろん、刀人を家に置いて。 それでも刀人にはまだ希望があった。 「僕は五体満足に生まれてきたのだから、いつかこの家を出て、一人で幸せに暮らすんだ。」と。 しかし、そんな希望も、すぐに打ち砕かれることとなる。 刀人が10歳になってすぐの頃… 借金を抱えまくっていた父を訪ねて、黒い服の男たちが家に押し入ってきた。 怯える父は刀人を盾にしてただ震えているばかりで、頼りにはならない。 黒い服の男たちは、金を借りるだけ借りて全く返す様子がない父に腹を立てていた。それどころか、父は黒い服の男たちを騙して金を借りまくっていたようで、男たちの怒りは計り知れない程に膨れ上がっているようだ。 そんな怒り狂った男たちに、常識や温情といったものは存在せず、刀人が息子だと知った途端に、殴ったり蹴ったりし始めた。そして、最終的には、「末代まで恨んでやる!!」といった言葉と共に、刀人の両目は刃物によって傷つけられたのだ。 痛みにのたうち回る刀人を置いて逃げようとした父は、さすがに男たちにあっさりと殺された。 「クズの息子…お前のことは殺さないでおいてやろう。とは言っても、目が機能しないガキが一人で生きていけるとも思えねぇがなぁ!!」 黒い服の男は、刀人に一瞬で死ぬよりも辛いめに合わせて殺したいようだった。 刀人は完全にとばっちりを食らい、暗闇の世界に閉じ込められたのである。 その後、荷物を取りに帰ってきた母により、なんとか命は助かった刀人だったが、1年後、母にも見切りを付けられ、結局は一人で暮らすこととなる。 1年ですっかり目の見えない暮らしに慣れた刀人は何とか生きてはいたものの、金も底を尽きかけ、ギリギリの生活を送っていた。 目が見えなくなってからの生活も、父から解放されたとはいえ、いいものとは言えない。 迫害や差別も受け始め、刀人は心身共にボロボロだった。 しかし、家の奥深くに眠っていた謎の気を発する日本刀を発見し、(謎の気を辿っていった末に見つけた。目では確認できていない。)それを所持することで、恨みを晴らすことを思いついた。 "いつか黒い服の男たちを殺す。" それを目標に今を生きることに決めたようだ。 迫害や差別を行う人間達を悪とし、彼らを殺して金を得た。 しかし、目が見えない刀人には、上手く殺人現場を片付けることが出来ず、結局足がついてコバルトエデンに投獄となった。 そしてボスに拾われ、今に至る。 -
