けい

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一人称・語尾など変更して頂いても大丈夫です。 ♦︎人魚は気に入った人間を海へ誘い込むために唄うのだという。だから夜の海に行ってはいけない。その唄声を聴いてはいけない。 波を呼び、嵐を起こし、人魚は何もかもを奪っていく。その人間を手に入れる為に。 そんな感じの雰囲気が出せていたらいいなあ。 魅入られちゃった人みたいな。 【台本】 星空を引き摺り落とし、月明かりを飲み込んで全てを攫う波が来る。 遠く水平線の彼方から、空気が唸る音がする。 その唄は災いをもたらすと誰かが言った。 闇夜に響く耽美な音色は、海原を撫でるように、手招くように、不思議な反響を繰り返して広がっていく。 息をするのも忘れていた。 脚を絡め取られたように動けなかった。 これは掟を破った罰なのか。 それとも、災いを恐れず海に出た褒美なのか。 もはや、そんなことはどうでも良かった。 ただ恍惚と耳を澄ませて、声の主を眼（まなこ）だけで探した。 「おいで、おいで」 恐る恐る空（くう）に投げた言葉。 唄が途切れ、ぱしゃりと水が跳ねる音。 私は岩陰を振り返った。 水面へ滑り落ちた人影のようなもの。 それが残した大きな波紋を見つめ、強い衝動に駆られた。 ……行かなければ。今すぐに。 目の前の危機や罪悪など些末なことだ。 私はこの眼でそれを捕らえ、この手でそれを手に入れるのだ。 『おいで、おいで』 飛び込んだ水の中で、誰がの声が聞こえた。 #声劇 #朗読 #台詞 #台本 #一人声劇 #コラボ #朗読台本 #声劇台本 #ダーク #シリアス #人魚 #オリジナル #bgm #フリートラック