秘密結社 路地裏珈琲

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「燃料おっけー！ブレーキ解除ー！ケネディ号、発進！！」 イトウからハーレーと名付けられた、電動アシスト付きの可愛いママチャリを漕いで、ガレージから勢いよくケネディが旅立った。カゴには“燃料”こと、いい感じに淹れられたちょっと良い柚茶と、昨日の夜本を見ながら挑戦してみた、蒸し立てのお饅頭がたくさん。まだ寒い冬の河原を、毛糸のマフラーなびかせて、白い息を吐き吐き進む彼女から、軽快な鼻歌が鳴っていた。 通い慣れた通勤ルートからは回れ右して、すっかり顔なじみになった地元の商店街を目指すのだ。今日は四つ角のおばあちゃんちに顔を出そう、古着屋を見て、それから空き地で、ちびっことチャンバラごっこをする。吹き抜ける北風に誘われて、雲間から太陽が覗いたら、ささやかな楽しみをたくさんたくさん詰め込んで、ケネディの休日が始まった。