nana

【声劇】灰の病<テストプレイ>
41
2
コメント数1
0

微輝く麦が育つという田園地帯にて 人が灰となり朽ちていく病が蔓延った。 特効薬はおろか治療法もないこの病は ある領主の命を今まさに奪おうとしていた。 <召使い> 失礼します。薬湯をお持ちいたしました。 さあ体を起こして、お飲み下さい。 <領主> まだ居たのか。 早くこの館から逃げよ。 灰の病が拡がってしまった。 もう、終わりだ。 <召使い> 私めは領主様と共にこの館に留まります。 どうか最後までご恩に報いさせてください。 <領主> ……北へ逃げ延び、麓の街の宿屋を頼れ。 我が竹馬の友がそこにいる。 <召使い> 身寄りもなく行き倒れた天涯孤独の私めを お救いくださった領主様を 見捨てて生き延びるなど どうしてできましょうか。 <領主> さよう、かつてこの手で救った命だ。 故に、その身をここで捨てることは許さん。 行け。命令だ。 <召使い> 必ず、必ず、私めは戻ります。 皆様を弔いに戻ります。 この館を守るために戻ります。 だから……領主様……?領主様ッ! ・・・・・ Rolled by 領主 / はむ 召使い / あんぜん毒

1コメント
ロード中