「メガネからの卒業」(ポプカ・浅葱短編)
秘密結社 路地裏珈琲
「メガネからの卒業」(ポプカ・浅葱短編)
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「あのう、僕」
夕方、マスターも誰もいない時の出来事だった。
さっきまで一心不乱にテーブルの片付けをしていたタナカが、唐突に口を開いたかと思ったら、おもむろに右手を伸ばし、たしかに掴んだ上で外したのである。
己のトレードマーク、いや、本人とも言える、例のメガネを。
「......コンタクトに、変えようかと思うんです」
衝撃が走った。
初めて見るタナカの素顔、レンズの度が強かったせいだろう、想像以上に丸っこくてパッチリとした瞳は、ど平均の男タナカに似つかわしくない輝きを放っている。
聞き返すなり引き止めるなりの反応が、咄嗟に選択肢として上がってこないほどの、強烈なインパクトがそこにあった。
「僕、このままの僕ではいけない気がするな、って」
なんでもいいから変わりたい、タナカ。
しかしなんでよりにもよって、まっさきにそこなんだ、タナカ。
突っ込みどころが大渋滞の、唐突なメガネからの卒業宣言。
タナカの切実な眼差しに迫られて、あなたは一体なんと返すのか。
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いいと思う、もしくは、タナカを止める
どちらかの選択肢を相談して選んだ上で、2人で一曲コラボ、もしくは時間がない場合、それぞれ自由に1曲ずつ提出してください。
今後のタナカに影響が生じます。
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