nana

prologue
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*間を置いてから読み始めて下さい。 ※聞き手を意識してゆっくりと読むことを心がけましょう。 「 今から約40年程前、その「病(やまい)」は突如発生(とつじょはっせい)した。 何の前触れ(まえぶれ)もなく、膨れ上がった(ふくれあがった)気泡(きほう)が破裂(はれつ)するように、この世に生きとし生けるもの全てを蝕み(むしばみ)、その心臓で開花(かいか)させた。 彼岸病ーヒガンビョウ 彼岸花を胎内(たいない)に育てるその病は発症(はっしょう)から僅か(わずか)半年で心臓に根を張り、蕾(つぼみ)を付け、そして開花すると共に死に至る…。 この「病」が恐ろしいのはそれだけではない。 発症した「患者」は誰もが人知を超えた「力」を暴走させ、命が尽きてもなお暴れ(あばれ)まわり、彷徨う(さまよう)のだ。 人を逸脱(いつだつ)した「彼ら」。 私たちはその花の名になぞらえてこう呼んでいる。 彼岸者ーヒガンビト と 」

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