
【1人声劇】夕方の銭湯
todorokigentaro/台本:todorokigentaro/サウンド:狐のリサ
-------------------------------------------------- 夕方の銭湯は、大抵(たいてい)、空いている。 今日も、自分の他には湯舟に男が一人浸かっているだけだ。 足を入れる。 すぐに、足を引っ込めた。 熱すぎる。 体が冷えているのだろうか。 男は平然と湯に浸かっている。 ゆっくりと湯に体を入れる。 熱い。 途中から思い切って、体を一気に湯の中に入れた。 声が出そうになるくらい熱い。 全身に力を入れて、体が熱さに馴染むのを待つ。 無理か。 馴染む気配がない。 この湯は自分には向いていない。 湯から一気に上がる。 体が痛い。 軽いやけどでもした感じだ。 小さな湯舟に入って、体を冷ます。 男も音を立てて、湯舟から出た。 全身、真っ赤である。 湯気を上げながら、洗い場へ向かう。 まるで、修行僧(しゅぎょうそう)の佇(たたず)まいだ。 男は、腰かけに座り、体をゴシゴシと洗い出した。 全身が石鹸の泡にまみれた時、 男のお尻が、腰かけからつるんと滑り落ちた。 男は、「ありゃ」と言ってバツが悪そうに腰かけに座りな直した。 私は、ちょうど時間が気になっていたので、男の方は見ていなかった。 -------------------------------------------------- #klavi_Werkstatt #声劇 #1人声劇 #台本 #狐のリサさんのサウンド #todorokigentaro台本 #todorokigentaro声劇
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