
【1日1声劇No.146】イカロスの墜下
朗読者:スズキひつじ ピアノ:彗さん 台本:じん
胸が苦しい……少しでも必死さ、無念さを表現できていたら幸いです! #声劇 #ひとり声劇 #一人声劇 #朗読 #特攻 #戦争 #死 #別れ #彗 #じんの台本 #拍爆嬉しい #コメント嬉しい #1日1声劇 ーーーーーーーーーーーーーー 生きて還ることがただただ苦痛だった。 第五昭和特別攻撃隊海軍大尉。 -------------------------------------------------------------------------------- 【イカロスの墜下】 「畜生っ!」 高度一千メートル。 目標まであと一歩のところ、恐れていたことが起こった。 エンジンオイルが漏れ出し操縦席の窓を叩く。 ブスンと鈍い音を立て、エンジンは停止。 「おいっ...冗談はよせ。あと少しなんだっ。」 スロットルレバーを押し込んでもビクともしない。 プロペラの回転計を何度も確認する。 正常の回転数を大幅に下回り始めていた。 (無音0058~) 「クソッ!!!!」 (曲調変化0055~) すぐ横を飛ぶ部下が天蓋を開け、此方に向かって敬礼する。 何かを叫んでいるが此方には聴こえない。 「待てっ...私もお前と一緒に...。」 置いていく気だと悟った。 「何故だ...何故、私の方なんだっ!!」 「お前はまだ十七だ。ひとりで行くな...。逝くなっ...。」 見る見るうちに引き離され、前へ前へと飛んでゆく。 晴天の蒼空。 彼の機体は翼を大きく振る。 一回。二回。三回。 それは別れの合図。 「あぁ...ひとりにして...すまない。」 ____。 何かが砕ける音がした。 -------------------------------------------------------------------------------- 最期に見た青年の顔は、涙で濡れていた。 <漢字の読み方> 天蓋...てんがい 此方...こちら 晴天の蒼空...せいてんのあおぞら
