
冬のある陽
新波愛來
凍てついた心を巣へ持ち帰り、覚悟して水で手を洗い、すぐに胃から暖かい風を送る。擦り合わせた両手をももの間に挟み、考える。 あ〜、夜は何食べようか。 暖かな物を... ロールキャベツ。肉じゃが。モツ鍋。シチュー... 美味しい母の味は浮かぶが作る力が浮かばない、今日もまた袋詰めしてあるピーナッツをつつく。やっぱり何か外食してしまおうか否かと考えていたらピーナッツでおなかが満たされた。あ〜寒い寒い。と言いながら風呂へ入る。上がって携帯をふと見ると、母からの'' 今日は冷え込んでいるみたいね。暖かいものでもしっかり食べて寝な。'' というメール。 ありがとうと呟いてみたら、部屋の温度が上がった気がした。
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