nana

永訣の朝/宮沢賢治
17
2
コメント数0
0

今日のうちに遠くに行ってしまう僕の妹よ みぞれが降って、外は変に明るいんだ 薄明るく一層暗い雲から みぞれはびちょびちょ降って来る 「雨雪を取って来て欲しい・・・」 死ぬと言う今頃になって 僕の気持ちを一生明るくする為に こんなさっぱりとした雪のひと碗を お前は僕に頼んだんだ ありがとう、僕の健気な妹よ 僕も真っ直ぐ進んで行くから 「雨雪を取って来て欲しい・・・」 激しい激しい熱やあえぎの間から お前は僕に頼んだのだ 本当に今日お前は別れてしまう 僕の健気な妹よ お前が食べるこのふた碗の雪に 僕は今心から祈る 僕の全ての幸せをかけて願う ------------- 最期の時にも兄を思い、言葉をかける妹の優しさに感銘を受けました。 出来るなら、妹の望む事全てを叶えてやりたい。 しかし、自分には何もできない、してやれない。そんな兄の悔しさ、悲しみ、そんなものが1mmでも表現出来ればと。

partnerパートナー広告
music academy cue
0コメント
ロード中