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同田貫正国
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同田貫は気を使ったのか、それとも頭を冷やせと言いたいのか、 『ていさつする だれがきても出るな』 とだけ書いて、部屋を出ていった。 この部屋は大きな道具箱と言って差し支えない。四つの倉庫のうちの一つに隣接した部屋なのだ。むしろ倉庫に入り切らないものをそのまま置いておいたりしているので、倉庫に侵食された部屋とも言える。 倉庫にはそれこそ、なんでもある。手掛かりだってあっていいはずだ、というか、倉庫を探してまで手掛かりを潰せるほど、時間も無いはずなのだ。部屋から出ない方がいいのはわかっている。この部屋に置かれた本を読もう。それと、無事に残った日記も。 本を読む為に取ろうとすると、一枚の紙が落ちた。 『破り捨てろ』 ……なんだ……? この破り捨てろという警告を受け取れと言うのか?いや、わざわざ本と本の間に挟み込まれた紙に、こんな文が書かれていれば、観察ぐらいはする。私はそうする。 観察の試みは正しい行動だった。裏には、あることが書かれていた。 『俺は倉庫の奥にいる。あることがわかった。ここに記しておく。 ここにいる誰もが影響を受けている。無事な者などいない。 逸話が強く出ている者は毒が回るのが早かった。俺は殆ど喰らっていないらしい。 気をつけろ、この呪いは何かを皮切りに発動しかねない。俺は巴形薙刀だ』 読み終わった時、奥のほうから何か、物音が聞こえた。 巴形薙刀。 銘も逸話もない、と自身を表現する刀剣男士。二振り目の薙刀。 彼の伝えようとしたことは確かに、筋が通っている。誰が書いたかもわからないアカメのメモにおいて、列挙されていた刀剣男士の多くは逸話の面を強く持っている者達ばかりだった。例として挙げれば、石切丸は宝剣であり、さらには御神体であり、そのうえ複数の逸話を持つという。 一方で御手杵は何処か、まだ少し正気の残っているような印象を受けた。しかし彼にも立派な逸話はある。とはいえ彼は、この本丸に顕現した御手杵は、焼けているのだ。焼けたことも含め、記憶を幾つか失っている。記憶が影響しないとは言いきれない。 同田貫はどうだろう。 彼は特定の固有名詞を持った刀ではない。そのうえ、集合体なのでは、という調査からの予想が立てられている状態だ。 だが、彼は分かりやすい逸話がある。兜割りだ。故にその割られた兜を持つこともある。 ……そろそろ考察はやめよう。 私は、決断しなければならない。 この紙を見た私は、これを信用することにした。さあ、どうする。 約束を破り、巴形薙刀を探しに行くか。 それとも約束を守る為に、彼を見捨てるか。 巴形薙刀を探す → https://nana-music.com/sounds/0448c67c/ 部屋の中で待つ → https://nana-music.com/sounds/0448c5e9/

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