
山姥切国広 Dead End
私は、一人で走った。 山姥切を置いて、一人で。 私がいない方が、きっと彼も戦いやすい。 庇いながら戦うなど、彼の負担が大きすぎる。 とにかく私は逃げて、逃げて、逃げ延びて。 逃げることさえできれば、きっとまた彼が見付けてくれる。 そう信じて走った。 走って、走って。 そして廊下を曲がった。 『───、』 何を言われたんだろう。 理解する前に痛みに支配された。 痛い、いたい……。 熱いのか冷たいのか、わからない感覚。 何故だか頭がぼーっとして、私はその場にどさりと倒れた。 ぼんやりしてきた視界で、私は僅かに血濡れの刃を視認する。 ───ああ、斬られてしまったのか。 どこか他人事のようにそう思う。 ごめんね、山姥切。 私はきみの思いを無下にしてしまったようだ……。 けど、何故だろう。 少しだけ、どこかで安心していた。 * Dead End * continued? → https://nana-music.com/sounds/040bbc81/
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