
明石国行
目の前で鮮烈な赤が飛び散って、体の中の温度が急激に下がっていくのが分かった。 しかし明石は、そのまま今剣ごと刺さった刀を深く自分の腕の中に閉じ込めた。 「な、なにを!?」 「っ蛍!!!愛染!!!」 困惑する今剣を無視して明石が外にいた二人を呼び寄せた。 すると、中へ駆け込んできた蛍丸が私を担ぎ、そのまま外へ飛び出した。 その後ろを愛染がぴったり張り付いて走る。 「蛍丸!?愛染!?」 「ごめん、主さん…!今は……ッ!!」 驚いて暴れる私へ、そばにいた愛染が声をかける。 思いきり唇を噛み締める蛍丸、顔をくしゃくしゃにして悔しそうにしている愛染。 理解してしまった。この後明石がどうなるのか、何故彼らを顕現する必要があったのか。 全部、全部。 でも、そんなのって。 「お願い……無事でいて、明石……!」 彼が決死の思いでくれたチャンスを逃すだなんて愚かなことはしない。 だからお願い、無事でいて………。 → https://nana-music.com/sounds/0442e5a0/
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